第61話 ページ13
そして、その嫌な予感は的中する。
「A、君にも招待状が届いている」
私に？と首をかしげるA。
どういうことだろうと聞く前に、イザナが招待状を見せた。
「オンディーヌ家、聞いたことあるだろう？
「…！この前の、」
「そうだ。そこのイリア殿から、Aへと届いている。タンバルンの夜会に招待されているので、都合が良ければ同行してほしいとのことだ。良い機会だと思わないか？」
イザナはニヤリと含みのある笑みを浮かべる。
何を企んでいるのかまだわからないが、Aは直ぐに首を縦に振った。
「はい。私も白雪と共に、タンバルンへ向かいます」
「頼んだぞ」
「承知いたしました」
ぺこりと頭を下げる。
ゼンは驚いた様子だったが、大丈夫だと笑顔を見せ、3人は部屋を出る。
パタン、とドアを閉めると、すぐに女中から声がかけられた。
「失礼致します、ゼン様」
「どうした」
「白雪さまとAさまに、今晩よりお部屋をご用意しています。今からご案内させて頂いても宜しいでしょうか？」
「えっ！？」
にこやかに言う女中だが、身分のない白雪とAに部屋が用意されるなんて、と驚く。
ゼンは「なるほどな」と少し嫌な顔をした。
「…明日からの稽古で、部屋に戻らなくてもいいようにだな」
「…！」
「やることが早い…」
白雪とAには身分が無く、夜会での作法やダンスの仕方を知らない。
それを勉強し、稽古して身に付けなければ、クラリネスの客人として恥をかくことになってしまう。
だから出発までの間、みっちり練習しろとのことなのだろう。
覚悟を決めた白雪、そしてAは(私も稽古しなきゃいけないの…！？)と驚いていた。
「─── 俺もミツヒデ達を待たせてある。今日はもう遅いからな。白雪、A、ひとまずゆっくり休め」
「そうします、ではまた」
にこやかに言うゼンに、少し安心したような白雪。
そんな2人の様子を見てAも安堵し、白雪と共に用意された部屋へと向かったのだった。
「─── 白雪とAがタンバルンに…」
驚いた様子でミツヒデが呟く。
ゼンは3人に背を向け、大きな窓から夜空を見つめたまま話した。
「あぁ。話はそれで全部だ」
「そりゃまた…なんだって他に問題が起きているときに」
チッと小さく舌打ちしながら言うオビ。他の2人も同じ気持ちだろう。ゼンは背を向けたままで表情まではわからない。
「ミツヒデ、タンバルンへの同行…おまえに任せる」
「はい」
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Lily(プロフ) - 48、49話は前編のほうになります！続編は50話から始まります！ (2018年6月10日 0時) (
レス) id: 781d18f1a5 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - campanaさん» campana様 ありがとうございます！話数でしたが確認したところ、48、49話を非公開にしたままでした…(-_-;)ご指摘いただき、ありがとうございます！公開設定に変更しましたので、お読み頂けたら幸いです。コメントありがとうございました！ (2018年6月10日 0時) (レス) id: 781d18f1a5 (このIDを非表示/違反報告)
campana(プロフ) - 続編おめでとうございます！あの前編では47話で続編に入っているのですが、48・49話が無いので気になっているのですが… (2018年6月9日 4時) (レス) id: 04f37541ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2018年5月21日 2時
