第60話 ページ12
「今日、隣国タンバルンから書状が届いた。タンバルンで開かれる夜会に合わせて、あなたを王城へ招きたいそうだ」
「「！？」」
イザナの言葉に、白雪とゼンは目を見開いて驚いた。
Aは状況がわからず、首を傾げた。
「以前あちらの第一王子ラジどのをクラリネスに招いただろう？その時、白雪という者に世話になったと側近が話していて…―――その礼、だそうだ」
白雪とゼンは、こんどはポカンとした表情を見せた。
あのラジが、どういうことなのだろうか。
イザナは話を続け、ラジに一国の王子としての意識に向上が見えるとの噂を言った。
白雪がラジに向けた言葉がいい薬になったのでは、と言う。
「…タンバルンとしては、一度あなたを見えてみたい、と言ったところだろう」
「っ！、では、ラジどのの側に置いて様子を見るのが目的か！」
「え！？」
ゼンが真意に気付き、声を荒げる。
そうとは思っていなかった白雪は驚いてゼンへ振り返った。
なるほどね…と話を聞いて納得したA。だが何も言わずただ見つめていた。
「向上が事実なら結構な話じゃないか。親交ある国の次期王だ。切れ者でも考え物だが…、ただの無能ではこちらが困るだろう？ゼン」
「……っ」
どこか冷めた視線を向けたイザナは、にっこりと笑った。
ゼンは驚きつつも、どうしたものかと悩む。
イザナは、喝を入れてきてくれるとありがたい、と言い、今後の予定を説明した。
滞在は七日間、明日から出国する日までは舞踏の稽古を受けるように、と伝えた。
「白雪、あなたに14日後のタンバルン行きを命じる。―――返事をしないのは、この話が自分が何かを得られる機会になるかもしれない、とは考えもしていないからか？」
「っ！――――いえ、イザナ王子」
イザナの言葉に、白雪は驚いた顔をしたが、すぐに強気な顔に変わった。
肯定の返事を返そうとしたとき…
「兄上！その命令、私から一つ条件を出させて頂けますか」
ザッ、とゼンがイザナに向かって跪いて頭を下げた。
そして、直ぐに顔を上げてイザナを真っ直ぐに見つめた。
「……条件」
「白雪の付き人として、私が信頼をおく者を一名同行させたい。―――これだけは、譲るわけにはいきません」
イザナはゼンの条件に頷き、許可の言葉を告げる。
「…いいだろう。では白雪、いいな」
「はい、承知しました」
白雪も頷き、話が決まる。
そして、イザナはAへと視線を移した。
Aは何の用なのか、もしかして、と嫌な予感がした。
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Lily(プロフ) - 48、49話は前編のほうになります！続編は50話から始まります！ (2018年6月10日 0時) (
レス) id: 781d18f1a5 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - campanaさん» campana様 ありがとうございます！話数でしたが確認したところ、48、49話を非公開にしたままでした…(-_-;)ご指摘いただき、ありがとうございます！公開設定に変更しましたので、お読み頂けたら幸いです。コメントありがとうございました！ (2018年6月10日 0時) (レス) id: 781d18f1a5 (このIDを非表示/違反報告)
campana(プロフ) - 続編おめでとうございます！あの前編では47話で続編に入っているのですが、48・49話が無いので気になっているのですが… (2018年6月9日 4時) (レス) id: 04f37541ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2018年5月21日 2時
