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10 白雪姫 ページ10

そうして、Aはオビと白雪に見られていることに気が付いた。

『オビ、白雪、どうしたの?…あ、お仕事の邪魔をしてしまったのかしら』

ごめんなさい、と謝る。
違うよ、と優しく笑いかけた。

「大丈夫だよ、ちょっと驚いたけど…」

「A嬢は不思議な力を持っているのかい?」

『…なんのこと?』

きょとん、と首を傾げる。
Aにとっては普通のことなのだろう。
不思議でも特別だとも思っていないようだ。
その様子のAに、オビは笑った。

「今の鳥は、友達?」

『えぇ。大切なお友達。会いに来てくれたけど…』

「…きっとまた会えるさ。」

そっとAの頭を撫でる。
Aはくすぐったそうに微笑んだ。



――― その頃、王城の廊下では。

「おい、今の見たか?」

「「見た」」

その光景をたまたま目撃してしまったゼンとミツヒデ、木々の三人。
たまにAの様子を見るため、薬草園が見える廊下を使っていたのが幸いだった。
白雪が集中しているなぁ、と思っていたらご機嫌なAに集まっていく鳥たち。
不思議で綺麗な光景にしばらく見入ってしまっていた。

「あの子は、不思議な子だよなぁ」

「驚くくらいに優しい子だよね」

「そうだな。…早く助けてあげたい。できるだけ早急に動こう」

ミツヒデと木々がそれぞれの感想を言う。
早く解決し、心おきなく楽しく過ごしてもらおうと思うゼン。
真剣な顔のゼンを見て、ミツヒデと木々も微笑み、返事をする。

「「はい、殿下」」



*.*.*.*.*.*.*.*.*.


それから数日経つが事は進展せず。
王妃が王女を殺そうとした証拠を手に入れることも難しく、そもそもその城へ行くことも難しかった。
王女を大切に大切にしすぎた王様は、城に誰かを招くことをほとんどしない。
それに前王妃が亡くなったことで、王様が出かけることが多くなり、より一層城に外部の者が入ることが無くなってしまった。
そのせいで何かと理由をつけて乗り込もうとするがなかなかうまくいかない。
焦ることはない、と思うが、解決したいという気持ちばかりが焦っていた。

だが、当の本人は気にしているのかしていないのか。
ウィスタル城での生活をとても楽しんでいた。

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Lily | 作成日時:2018年2月16日 1時

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