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15 白雪姫 ページ15

それから、ゼンとミツヒデ、木々はイザナへ報告しに向かう。
今日は白雪のところへ行かず、執務室にいることになった。

「あまり外に出れないかもしれないけど…大丈夫かい?」

『えぇ、皆さんにご迷惑かけるわけにはいかないもの。』

「迷惑じゃないけどさ。あんた、外にいるの好きそうだし…」

『外は好き。でも、書類仕事も得意なのよ?』

大丈夫、と微笑んだ。
オビは、それはよかった、と笑った。

それからゼン達が帰ってくる。
ひとまずは、Aの父達が来たら迎え入れようということになった。
それまではあまり出歩くことはせず、室内で過ごせる仕事をするように、予定を変更した。

Aはゼン達の仕事を手伝うこととなり、木々について教えてもらっていた。
途中、書庫にいく必要があり、そこまでなら大丈夫だろうと二人が部屋を出る。
それを見て、オビがゼンに近づいた。

「主、ひとつお願いがあるんですが」

「え。なんだ…?」

オビからのお願い。滅多にないことで、警戒した目を向ける。
やだなぁ、とオビは笑った。

「変なことじゃないですよ?あの、お嬢さんが持ってる胡桃石の鈴、A嬢にも渡したらどうかと思いまして」

「あぁ、あれか…なるほど。」

「もし何かあったとき、あの鈴があれば居場所がわかるっていうのは大事かと」

「そうだな…、至急、キハル殿に連絡しよう」

お願いというか、提案だった。
ゼンはすぐにキハルに手紙を出し、キハルはすぐに制作に取り掛かる。
それはゼンの元へとすぐに届けられた。

数日後の夕刻、届いた包みを、ゼンは開けずにオビに手渡す。

「オビ、これはお前から渡せよ?」

「え、なんでですか」

「お前の提案だろ?それに、Aと一番仲良いしな…。きっと明日辺りに御父上が来る。安心させてやれ」

「…わかりました、ありがとうございます」

オビは包みを受け取る。
ゼンに言われ、Aの悲しそうな、寂しそうな顔を思い出した。
きっと今も悲しい顔をしているかもしれない。
迎えに行かなきゃな、と思い、Aの元へと向かった。






<続く>

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Lily | 作成日時:2018年2月16日 1時

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