12.「鯉…？」 ページ13
「それにしても傷だらけだったね。さすがヒーローの卵って感じだ」
紅は微笑む。
ヒーローの卵、か…。
…俺は、なりてぇもんを目指せてんのかな。
「…そうでもねぇよ。前に進めてるのか不安だ」
思わず、こぼれた本音。
親父のことは乗り越えたと思ってたのに、実際はまだまだ心に黒く残っていて。
そのせいで試験にも影響が出て。
周りの奴らは確実に力をつけていて。
俺は_________…
「前に進めてるよ」
優しい声に、顔を上げた。
「葛藤がある、ってことは理想の自分を目指してもがいてるってことでしょ？」
「頑張ってるんだね」
自分を、肯定された気がした。
そうか。
______俺は、前に進めてるんだな。
「ま、まあ…時には考える時間も必要だからね。ゆっくり…」
「…ゆっくりしてたら、あいつらに置いてかれちまう」
「…そっかぁ…。うーん…
ま、困ったことがあったら言ってよ。出来ることならサポートするからさ。
未来のヒーロー」
ぽんぽんと頭に触れられた。
驚いてそいつを見つめると、紅は手を引っ込めて照れたように笑った。
「ごめん、つい」
「…いや……ありがとな」
自然と、口が緩んだ。
ガララ。
「おや、治療かい？遅くなって悪かったねぇ」
ドアから顔を出したリカバリーガールを見て、紅は立ち上がった。
「軽く手当てはしときました。今日は忙しそうなので、また明日来ますね」
「そうかい。いつもありがとね」
「いえ」
リカバリーガールと俺に挨拶をして、紅は部屋を出て行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それじゃ治療を…」
紅が出て行ったドアを見つめる轟。
「…おやおや」
「おい、アンタ」
「…あ、はい」
声に気づいて顔を向ける轟に
「恋かい？」
リカバリーガールは微笑んだ。
「…鯉？」
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緋蓮(プロフ) - ありがとうございます！ラブコメのコメが出せましたかね（笑）頑張ります！ (2019年1月23日 20時) (
レス) id: 0dbc4c21fc (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - 面白いし、性格が可愛い！あと、最後の「鯉」にちょっと吹いたw更新がんばって下さい！ (2019年1月23日 14時) (レス) id: ca285a2166 (このIDを非表示/違反報告)
緋蓮(プロフ) - ヨシさん» うれしいです！！！ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月20日 19時) (レス) id: 0dbc4c21fc (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - コメント失礼します！とても面白いです！サポート科っていう設定が好きです！更新頑張ってください！ (2019年1月20日 18時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋蓮 | 作成日時：2019年1月4日 23時
