寂しがりや狼 2nd

49.「１人が心細くて起こしたの？」「ンなわけねぇだろクソが！！」 ページ23

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…い。




おい。




「起きろ犬女！」


「っわ⁉」

突然の怒声に肩がはねた。なにこの荒々しい目覚まし…


「…何してるの爆豪。変な趣味だね」

怒声の方向に顔を向けると、手を拘束され立派なイスに座った爆豪がいた。

「頭沸いてんのかクソが‼てめえと周り見ろや」

寝起きでぼんやりとしていた頭がだんだんと覚めてきた。

言われるままに自分の体を見れば、手だけロープで拘束され木のイスに座らされていた。

「え、なにこの差別。そりゃ凶暴さは負けるけど…」

これ隣と比べて明らかにランク劣るよね。

「ンだとゴラァ‼」

周囲を確認する。酒の匂い。内装的にもバーらしい。


…敵もいる。



「この状況で仲良くお喋りとはなぁ。
さすが雄英生ってとこか？」


顔面に手を付けるという奇妙なファッションの人が口を開いた。


「…仲良くお喋りでもしてないとやってらんないでしょ」


涙の跡は、まだ頰に残っている。

今、僕がいつも通りで居られるのは爆豪の存在によるところが大きい。




…ちらちらと見える水色に、胸が異様にザワつく。








「ククッ…。なァ…ずいぶんと久しぶりだな。



アオイ」

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