寂しがりや狼 2nd (ページ15)

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41.林間合宿6 ページ15

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「さァ昨日言ったね『世話焼くのは今日だけ』って‼」

「己で食う飯くらい己で作れ‼カレー‼」

「「「イエッサ…」」」

「うぅ…」

だるい…。

「さすが雄英無駄がない‼世界一うまいカレーを作ろうみんな‼」

飯田はなにやら独り言を呟いた後、そう言った。

「…君の元気どこから来るの」

「オレンジジュースだな！」

違う、原料じゃない。君は天然か。

「…そっか」

ツッコむ気力がなかった。

トトトッ。

具材を切っていたら、お茶子が声を掛けてきた。

「わ、アオイちゃん上手やねぇ…！」

「…そんなでもないよ。一人暮らしだから」

「いやぁすごいよ！私も一人暮らしやけど全然…
あ、爆豪くんもうまい！意外！」

「うわ、久々に出た才能マン！」

「意外って何だ丸顔‼包丁に上手いも下手もあるかクソ‼」

あるでしょ。

「本当だ。手先器用なんだね」

「見てんじゃねえ‼」

「不良顔してて案外繊細なのかな」

「るせえぶっとばすぞ‼」

彼の暴言は相槌なのかもしれない。

切り終わった具材をボウルに入れて、火のある方に持っていくと

「あ、轟」

「狼谷か。なんだ」

火を付け終わって暇そうにしている轟がいた。

「暇？」

「ああ」

「じゃ、野菜炒めるの頼めるかな」

「…俺で、いいのか」

ボウルを差し出すと、深刻そうな顔をして受け取る彼。

「この野菜の全てを生きて返せるか…俺には自信がねぇ」

「な…なに言ってるのさwww」

あまりに真剣に言われたから、思わず笑ってしまった。

キョトンてしないでww

「だいじょうぶ。見ててあげるよ。やってみよ？」

「…わかった。助かる」

僕が笑いかけると彼も微笑んだ。

人とは、繋がってみるものだと思った。