No.16 ページ30
ーーシャルsideーー
「…マチ、殺気出てる。」
「悪い。反射的に。」
「それも問題でしょ。」
思わず口からため息が漏れる。
ナナがいきなり倒れてからおよそ30分。
アジトへ帰ってきてもナナは一向に目を覚まさず、腕に抱きついて離れない。
いや、正確には剥がそうとすると、ものすごい嫌そうな顔をする。
そんなこんなでかれこれずっとナナは俺の腕の中で寝ていて…
マチが全力で殺気を送ってるのはそういうわけ。
まあそれでも離すつもりはないけど。
「…シャル、 いい加減置いて来いよ。」
フィンクスにため息混じりに言われる。
「無理。俺はナナが嫌な顔するような事は絶対したくない。
…それに俺に頼りきってるナナがかわいすぎるから。」
「病気だな。俺が知ってるお前はそんな奴じゃなかったが。」
「えー、だってナナがこんなに警戒解いて無防備になってるの珍しいじゃん。」
いつもはナナは寝ている時でも円を絶対に解かない。
誰であっても最大限の警戒をするし、それは念を知らない一般人でも同じ。
だから今みたいに円を解いてる時なんて滅多にない。
「頼ってくれて嬉しいんだよね。…ナナって一人で背負っちゃうタイプだから。」
「まあお前だからだろ。」
「何が？」
「お前だったら命預けられる程度には信頼されてるんだろうなってこと。
…こいつ味方でも滅多に隙見せないからな。」
そう言われれば。
まあ俺がいる限り誰にもナナは奪わせないし傷つけさせないけどね。
そう、誰にも奪わせない。
たとえそれが理不尽な抗えない力によるものだとしても。
「…俺、守りきれると思う？」
「知らねえが…やるんだろ？」
「もちろん。…ナナと一緒にいれるためだったらなんでもするから。」
ナナと別れるなんて選択肢、俺にはない。
それは俺たちの共通した思い。
だから最善を尽くす。
俺が持っているすべてを使ってでも。
たとえ向こうから提示される選択肢がYESしかなくても。
それでも俺はNOを選ぶ。
だからそのためにできることを。
俺はみんなより力はない。
だけど誰よりも脳みその使い方は熟知してるつもり。
いまその力が使えるのならば、出し惜しみはしない。
ナナが元の世界に戻るのがいつかはわからない。
もしかしたら一方通行で、戻ることなんてないかもしれない。
だけどもしその可能性が0.1%でもあるのなら。
努力がすべて無駄になってもいい。
それでも俺は守るから。
旅団のprincessを。
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りんごぱんだ(プロフ) - オレンジさん» ありがとうございます！頑張って更新させていただきます！ (2018年2月4日 20時) (
レス) id: 9d7ed27381 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - 続きがとっても気になります!!更新楽しみにしてます! (2018年2月4日 17時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
りんごぱんだ(プロフ) - ゆぎーさん» コメントありがとうございます！とにかく旅団メンバーは何があっても殺させないのでご安心を。というかそんなの書けないです……これからも頑張るのでよろしくお願いします！ (2017年12月28日 13時) (レス) id: 9d7ed27381 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎー(プロフ) - 更新を毎回楽しみにしてます！パクとウボォーはいなくならないでください！夢主無理せずに頑張って！ (2017年12月28日 10時) (レス) id: 3af73fb010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごぱんだ | 作成日時：2017年11月10日 20時
