No.83 【イルミってほんと歪んでるよね。キルアを返して！】 ページ41
「てか、なんでクラピカそんなに寝てるんだよ。…珍しい。」
「やっぱヒソカはそれだけ強いってことかな。」
キルアと話しながら待つこと30分。
いよいよやってくる。
「んじゃ、行ってくるぜ。」
キルアの試合が。
ねえ君の家のルールは知ってる。でもこれだけは言わせてよ。
「キルア、私もうキルアの友達だから。」
「な、何言ってんだよ！」
そう言ってキルアは部屋の真ん中へと突き進んでいく。
でも、今の言葉忘れないで。
何があったって私はキルアの友達だよ。
闇人形？そんな言葉もう彼には似合わない。
イルミ、いい加減気づきなよ。彼は彼としての人生を歩んでるんだ。
「それでは、試合を開始する！」
そう試験官が言った瞬間イルミが自分の顔の針を抜く。
徐々に元へ戻っていく顔。そしてその先にあるのは…
「…兄貴。」
キルアにとっての絶望。絶対に超えられない壁。
見るだけでも辛い。今すぐ止めたい。でもダメだ！
「お前に望みなんてあるはずがない。人を殺すことでしか喜べない闇人形なんだから。」
「ち、違う！俺にだって望みぐらいある！」
そう振り絞るように出したキルアの声。
どれほどの恐怖が彼を襲っているのかもうわからない。
「…ゴンと、みんなと友達になりたい。ナナもクラピカもレオリオも…」
そう小さな声でつぶやいた彼のささやかな願い。それすらも踏みにじらないといけないの？
ねえイルミ、やっぱり私無理だ。
だからこれぐらいは許してよ。
「キルア。」
静かに、でも絶対に聞こえる声で話しかける。
「言ったでしょ。私はもうキルアの友達だよ。…何があってもずっとずっと友達。
たとえ裏切られても私、キルアのことは絶対嫌いにならないから。」
キルアの意識がこちらへと向く。
「戦略的撤退は時には重要。OK？」
私が今できるのはここまで。
逃げるのは負けじゃない。ちょっとカッコ悪い勝ちかたの一つ。
そんなの君だってわかってるでしょ。
「…参った。俺の負けだ。」
そう、それでいい。
ゴンだってここで君が必要以上に傷つくことは願ってない。
「イルミごときに私は負けないよ。」
この言葉がキルアの救いになってくれればいいな。
戻ってきたキルアの頭を撫でる。
もちろん反応はない。
今のキルアから感情を引きだすのは私じゃない。
それはゴンの仕事。
No.84 【闇の世界の人間がキルアを掬い出すなんてできっこない】→←No.82 【仲間の判断範囲が広すぎる気がする】
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村蓮(プロフ) - クラピカと蜘蛛が和解出来て本当に良かったです…！！！主人公ちゃんとクラピカの仲が悪くならなくて本当に良かったです(泣)シャルとのイチャイチャもトキメキ過ぎてどうにかなっちゃいそうです…/// この小説を読むのが毎日の楽しみです♪ (2022年6月29日 5時) (
レス) @page50 id: 51c88eb12b (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 番外編で腹筋崩壊しましたwww 嗚呼、吹いたコーラの片付けしなくては... (2020年7月5日 14時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごぱんだ | 作成日時：2017年9月14日 12時
