【H×H】 彼女が蜘蛛の中枢にいる理由 ー出会い編1ー

【シャルさんの自分の容姿利用してる感がすごい。】 ページ10

そうこうしているうちに、視界に大きめの廃墟が。
そしてその廃墟の入り口前でシャルさんが停止する。



え、ここが死体集積所？

にしては腐臭とかしないけど………





「…シャル、そいつでいいのかい？」
「オーラ量的にはOK。話しかけた時のとっさの反応も結構早かった。
……まあ課題点としては、警戒心薄すぎってところ？」
「まあレベル的には問題ないって事か。…了解。」



二人で何かよくわかんない事を話しつつ、マチさんが中へと入っていく。


うーん、何かの実験台にされるとか？



あの会話内容から推測してみても、一向にわからない。



まあきっと私はすぐ死ぬんだろう。
推測して行動したって死に方が多少変わるだけ。

っと、謎の決意を固めたところで、シャルさんが私を地面に下ろした。






……ちょっと残念に思ったのは隠しておく事にする。






「……傷がない。……治癒系の能力？」



シャルさんにそう聞かれたと認識するまでタイムラグ、およそ5秒。


え、待って。そんなアホな。
シャルさんに、シャルさんに今、話しかけられた？


聞かれた内容より先に、そこで頭がぐわんぐわんする。

その様子を見たシャルさんは、諦めたかのようにため息をつくと。






「答えて。…じゃないと命の保証はできない。」





そう言いながら、……頭に手を置いた。




この時点で私の脳はショート寸前。
というかすでにどっか大事なところが吹っ飛んだ。


思いの外大きい手と、高い身長。

これはもう、ご褒美以外の何でもない。




まあ多分シャルさんはそこまで見通した上での行動でしょうが。



「……能力じゃないです。今来たばっかりだから。怪我しなかっただけ。」



そう頑張って答える。



「ありえない。あのエリアは流星街の中心。あそこで君みたいな子が一人でいたら
……狙われないはずがない。」




なんだって？
シャルさんの予想外の言葉にびっくりする。


なんてとこに落としてくれてるのよ、神さま。





「それともそれすら撃退できるほどの力があるって事？」
「……ないです。多分あともう少しあそこにいたら普通に殺されてました。
シャルさんに見つかるほんの少し前に………落ちてきたんです。上から。」



なんと表現したらいいかわかんない。
だけど嘘じゃないはず。嘘はつきたくない。


だから……




「私………トリップしてきたんです。」





信じてくれなくてもいい。
ただ本当の事が言えれば。

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