No.12 【欲しかった言葉】 ページ42
ーーナナside ーー
オーラが戻らない。
何回試しても暴走したまま。
それに焦って、もっと暴走する。
ものすごい悪循環。
そんな時だった。
ドアを勢いよく開ける音。
その音にびっくりして、その音の発信源をみると…………
「……シャル…………」
シャルは部屋の様子をみると、そのままこっちへと近寄ってくる。
ーーーいらないなんて言われたくない。
恐怖で体が凍りついて身動きが取れなくなる。
もうシャルのあの髪には触れないのかな。
なぜかそんな事で頭はいっぱいで。
私なんて旅団には『必要ない』
ただ『迷惑』なだけ。
だから捨てられて当然。
わかってるよ、わかってるけど。
そう思って待ち受けていた。
私にとっては死刑宣告にも等しいその一言を。
『出て行って』かな?それとも………
そんな事を考えていたら……………
シャルとの間合いがゼロになる。
そう、つまり。
ーーー抱き締められていた。
軽くパニックに落ちいる。
全身でシャルの温度を感じる。
前、支えてもらった時のような偶然のものではなく、完全なる故意的なもの。
それはまるで恐怖から守ってくれるかのようで。
「ナナ、大丈夫だから。」
その状態でささやくように言われる『大丈夫』の一言。
それだけで本当に大丈夫だって信じられる。
オーラが少しずつ凪いでいく。
「ナナは迷惑なんかじゃない。誰もそんな事思ってないから。
俺たちはナナを捨てないし、絶対に離れていかない。だから………信じて。」
言われたのは予想と正反対のこと。
迷惑じゃない。
捨てない。
離れない。
その言葉がずっと欲しかった。
生まれてから一度も言われた事がなかったから。
全身を襲っていた恐怖が次第に和らいでいく。
それに比例してオーラも元の状態へと。
よかった。やっとおさまった。
止まらなかった体の震えもいつの間にか止まっている。
ふう、と全身の力を抜く。
尋常じゃなく強張った体が少しずつほぐれていく。
「ありがとう、シャル……………………ごめんなさい。」
そう言うと、シャルは若干困ったような表情を浮かべると。
いつもみたいに頭を撫でた。
「怒ってないよ。謝らなくていい。………心配だっただけだから。」
「でも………」
「理由もわかってるのに意味もなく怒らないよ。」
そう言いながら、抱き締めていた腕を離すシャル。
……それが少し名残惜しかったり。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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村蓮(プロフ) - シャルも主人公ちゃんも大好きです!!久しぶりに感じる胸のトキメキを抑えられないです!! (2022年6月27日 2時) (レス) @page50 id: 51c88eb12b (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - みんな死なないなんて最高です (2020年11月11日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 本日のラッキーアイテム=アイアンメイデン !?!? (2020年9月11日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
りんごぱんだ(プロフ) - ありがとうございます。名前の部分はすぐに修正させていただきます。 (2018年8月25日 10時) (レス) id: 9d7ed27381 (このIDを非表示/違反報告)
初音みのりフード - 面白いです!シャルは私も推しキャラなので嬉しいです!ただ、ところどころ名前が固定になっていましたよ。でも面白いので更新頑張ってください! (2018年8月23日 18時) (レス) id: 9104fd672a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごぱんだ | 作成日時:2017年8月23日 2時