No.11. 【理解不能】 ページ38
ーーシャルsideーー
「はい、これで大丈夫。」
そう言いながらフィンに預かっていた電子端末を返す。
これだから機械音痴は。
あのぐらいのバグ、自分で直せばいいのに。
そう思いながら、さっきまでナナに触れられていた髪を見る。
……その時間もフィンのせいで終わってしまった。
「ねえフィン、俺の髪って綺麗だと思う？」
「はあ？」
思わず聞くと、ものすごい疑問符が帰ってくる。
「だから、俺の髪って客観的に見て綺麗？」
「なんだよ急に…………まあそうじゃねえか？外見だけは整ってるからな、お前。」
「そっか…………」
それは嬉しいのか嬉しくないのか。
その答えを聞いて複雑な心境に至る。
どうせ暇だし。そう思ってフィンの部屋に居座る。
「直してあげたお礼にちょっと愚痴付き合って。」
「お前って時々死ぬほど図々しいよな…………」
フィンがボソッと呟いた呻きは聞かなかった事にする。
「さっきまでナナに髪触られてたんだよね。気持ちいいからって。」
「……お前ら、本当にいい加減気づけよ。」
「はっ？何を？」
唐突にフィンが頭をかかえる。
そうやってるとより老けて見えるような。
そんなどうでもいい事を考えつつ、話を続ける。
「それってさあ………ぬいぐるみみたいなもんでしょ。要は。」
「…何かものすごい勘違いしてそうだが聞いてやるよ。」
「だから、ナナにとって俺は触り心地のいいぬいぐるみと大差ないってことだよね？」
「なんでそういう解釈になるんだよ！」
またいきなり突っ伏すフィン。
本当になんなんだか。
「……お前さ、自分の事となるとどうしてそこまで鈍くなれるんだよ。
他人の感情には敏感なくせに。そのスキル自分にも使え。頼むから使ってくれ。」
「どういうこと？」
「じゃあ逆に聞くが……ナナがお前の事をぬいぐるみと同じベクトルで考えているとしてだ。
………どうしてそれが愚痴の内容になりうるんだよ！」
「ぜんっぜん言いたい事がわかんない。」
「普段のお前だったらそんなの気にもしてないだろ。少なくとも俺にわざわざ言いには来ない。」
フィンに言われた事を脳内で吟味する。
……確かに。
他人にどう思われていようが、気にしないたちだ。
むしろそうじゃないと外見を利用したトラップなんてやってられない。
じゃあ何でナナにそう思われているのが気になってる？
ダメだ、自分の思考回路が読めない。
他人のを読むのは得意なのに。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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村蓮(プロフ) - シャルも主人公ちゃんも大好きです！！久しぶりに感じる胸のトキメキを抑えられないです！！ (2022年6月27日 2時) (
レス) @page50 id: 51c88eb12b (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - みんな死なないなんて最高です (2020年11月11日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 本日のラッキーアイテム=アイアンメイデン ！？！？ (2020年9月11日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
りんごぱんだ(プロフ) - ありがとうございます。名前の部分はすぐに修正させていただきます。 (2018年8月25日 10時) (レス) id: 9d7ed27381 (このIDを非表示/違反報告)
初音みのりフード - 面白いです！シャルは私も推しキャラなので嬉しいです！ただ、ところどころ名前が固定になっていましたよ。でも面白いので更新頑張ってください！ (2018年8月23日 18時) (レス) id: 9104fd672a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごぱんだ | 作成日時：2017年8月23日 2時
