No.10. 【過去の記憶】 ページ36
「嫌われる、か……」
そう言うとマチは、深いため息をついて。
「……鈍いっていうより、バカだね。どっちも」
「だってシャルに嫌われる勇気なんてないもん。」
「それがバカなんだって。………私は絶対に教えない。自分で気づきな。」
そう投げやりに言われると、部屋から出される。
なんだったんだ。今のは。
とぼとぼと自分の部屋へと戻る。
とりあえず今日はもう寝よう。疲れた。
部屋に入るなり、ベッドにダイブ・・・
「……いたっ！」
ベッドの上に置いてあったリュックを思いっきり踏んづける。
なんだっけこれ？
あ、あのトリップした時に渡されたやつだ。今の今まで忘れてた。
中を見ると・・・一冊の本
パラパラとめくると、どうやらハンターハンターのガイドブックのよう。
と、途中のページに癖が付いている。
そこで捲る手を止めると・・・
「………忘れてた。」
そのページには、あのヨークシン編の出来事が。
そっか、これ私が前の世界で読んでたやつだ。
旅団が死んだのが信じられなくて、何度も読み返したから。
だからこんなに癖がついてる。
みんなが生きてる今があまりにも自然だから。だから死ぬ事なんて考えてもいなかった。
いや、考えたくなかったからシャットアウトしてたのかも。
「………嫌だ」
みんながいなくなるなんて嫌だ。
また一人になんてなりたくない。
失いたくない。
脳裏によみがえったのは、両親に捨てられてすぐの頃。
あの時もどうしてって毎日泣き叫んでた。
また取り残されるの？
どうしてみんな私から離れていくの？
頭が恐怖で凍りついて、思考が堂々巡りになる。
せっかく一人じゃなくなったのに。
なのにこのままだったら……
戦力にならない私じゃ、どうする事もできず流される事しかできない。
両親がいなくなるのを引き止められなかったように。
また私は大切なものを失うのかな？
体が震える。
涙が零れ落ちる。
……視界が、あの頃へと変わっていく。
捨てられたから、孤児院で育てられた。
寂しかった。両親に会いたかった。
抱き締めて欲しかった。ナナって呼んでほしかった。
だけどそんな願いはただの一つも受け入れられなくて。
だんだん両親は私が邪魔だったから捨てたのかなって。そう思うようになった。
だから邪魔にならないように。嫌われないように。
そんな辛い記憶で頭の中がいっぱいになる。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
アイアンメイデン
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
村蓮(プロフ) - シャルも主人公ちゃんも大好きです！！久しぶりに感じる胸のトキメキを抑えられないです！！ (2022年6月27日 2時) (
レス) @page50 id: 51c88eb12b (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - みんな死なないなんて最高です (2020年11月11日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 本日のラッキーアイテム=アイアンメイデン ！？！？ (2020年9月11日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
りんごぱんだ(プロフ) - ありがとうございます。名前の部分はすぐに修正させていただきます。 (2018年8月25日 10時) (レス) id: 9d7ed27381 (このIDを非表示/違反報告)
初音みのりフード - 面白いです！シャルは私も推しキャラなので嬉しいです！ただ、ところどころ名前が固定になっていましたよ。でも面白いので更新頑張ってください！ (2018年8月23日 18時) (レス) id: 9104fd672a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごぱんだ | 作成日時：2017年8月23日 2時
