【H×H】 彼女が蜘蛛の中枢にいる理由 ー出会い編1ー

No.7. 【確認作業は大切】 ページ25

そうこうしているうちに、みんながぞろぞろと帰ってきた。


その手には大量の………戦利品。
うわ、被害総額いくらだろ。計算しだしたら怖いやつだ、これ。


そんな事を考えつつ突っ立っていたら、いつの間にかスタートしている歓迎会。


うーん、これって歓迎会というよりただの飲み会じゃね？






「ナナ、ナナは飲まないの？」




そう言って話しかけてくれたシズクちゃんの手にはカラフルな模様のお酒。
いや、無理だろ。さすがに。


だって私15だよ⁉アルコール分解できるのかって話よ。



「私は遠慮しとく。多分飲めないし。」
「じゃあこっちにする？」


そう言って投げ渡されたのは……りんごジュース。

さすが、わかっていらっしゃる。



それを手に、シズクちゃんの元へと向かう。



「ねえ、ナナってここの世界の人じゃないの？」
「まあトリップってやつですね。詳しい事情はよくわかんないけど。」
「ふーん、そんな事本当にあるんだー。」
「それは私もびっくりした。しかもいきなり旅団に遭遇するしねえ。」




ジュースを飲みつつ、おしゃべりする。

うむ、意外と楽しい。



「シズクちゃんは・・・」

話そうとしたら、いきなりストップさせられる。



「シズクでいいよ。」
「え、旅団の人たちってみんな呼び捨てな感じ？」
「うん。みんな適当に呼んでる。敬語なんて文化は存在しないし。」
「へー、そんな感じなんだ。意外と適当だね。」



とりあえずこれからは全員呼び捨て&タメ口で行く事に決定する。



と、そうこうしてたらなんか頭がほわほわしてきて。
ん？なんじゃこりゃ。




「シズク………なんかへん。なにこれ。」



ぼやけた意識の中で、気合いで状況を伝える。

っと、さっきまで飲んでたジュースの成分表に………








「…あるこーる？」







いや、そんな馬鹿な。そんなはずはないー



だってジュースじゃないの？アルコール入ってたらジュースじゃなくない？


そんなしょうもない事が頭の中を堂々巡りする。


意味もなく笑いがこみ上げてくる。あ、これダメなやつだ。






「あー、こんなにアルコール度数低くてもダメなんだー。残念。」





シズクがものすごい事を言っている。

いや待て、考えろ。



誰がジュースなんて言ったんじゃい！
なんとなくそう思っただけじゃないか！



………うわ、どうしよう。



この感じからして、私アルコール分解できてない。

というか唐突にこのタイミングで睡魔が襲ってきて………

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