【実・況・者】そして、俺はまた【キ・ヨ】

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＊side:ﾌｼﾞ＊

｢よーっすお待たせ〜！…ってなんだべこの雰囲気｣




俺が黙ってものの数分。

意外にも早く、こーすけは来てくれた。





｢こーちゃんんん…！｣

｢うわ、こっち来んな抱きつくな！｣



感謝の気持ちを見せたつもりだったのだが、
嫌がらせか。と言われてしまった。


こーすけはふぅ、とため息をついて

ヒラとキヨを交互に見たあと、
俺にこそっと話しかける。



｢で、…こりゃ一体どういう状況よ｣

｢あ…なんか険悪な雰囲気、的な？
俺にはどうすることも出来ないよ｣



そう言って苦笑い。

それを聞いたこーすけも同じように苦笑いする。




｢うーん…よし、
そろそろ説明してもらおうか、キヨ。｣

｢あ、こーすけ。来てたのか｣

｢おいw

…でも、まーそんな考え込むって…なんかあったのか？｣




こーすけがキヨに対しそう質問すると、
ヒラもぴくりと動く。…気にしてるのか


｢実は、みんなに話したいことがあってさ
…ヒラも、もう1度聞いてくれないか？｣

｢…嫌でも聞こえる｣

｢…そうだな。｣


キヨは小さく、薄く笑った後

俺らが座る方へ向き直した。


俺らも、キヨが話しやすいよう
目線を合わせる。




｢っと………
単刀直入に言うと、Aを助け出したいんだ。｣

｢……うん｣


｢理由はまだ言えねえ。それは本当にごめん。｣





俯き、何を考えているのか表情が読み取れないキヨ。

そしてそう呟いてから、ハッと思い出したように、
目を見開いて、…すぐに目を伏せて、こう言った。


｢･･･。
それと俺はお前らに、…嘘付いてた｣


その後に続いた言葉。

俺らを驚かせるには、十分過ぎる言葉だった。







"＿＿＿＿＿＿Aがストーカーだっつー嘘を、な"

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