霞柱と氷の歌姫 第二ノ歌

一人じゃ無いので ページ23

天元side

『血鬼術 飛び血鎌』

相手の血鬼術が来るが避ける。Aも避けれたようだ。

あの鬼、妹の方は頸を斬っても死ななかった。
兄貴の頸を斬れば諸共消滅するのか？
…考えてても仕方ねえな

刃を下に振るう。

A『ド派手ですね！天元さん！上の階の方達は全員逃げたと思いますよ！どっちにしろやらなきゃいけないと思いますが！』

情報収集能力が高くて助かるぜ！
俺は火炎玉を取り出して天井の穴の空いている部分に投げ込む。
…どうだ？

A『チッ、お二人とも無事なんですねえ！そのまま天国に逝ってくれても構いませんよ？』

生きてやがったか。にしても日に日に口が悪くなり始めてるよなA。
外見は可愛いのに勿体ねえ。

妓夫「俺たちは二人で一つだからなあ」

ん？身体の調子が少しおかしい

妓夫「俺の血鎌は猛毒があるのにいつまでたってもお前は死なねえじゃねえかよ。」

毒か！

天元「俺は忍の一族だからな！毒なんぞ派手に聞かねえわ！」

やべえ、脂汗が止まらねえ。

妓夫「ん？やっぱり効いてるじゃねえか、ジワジワと」
天元「いいや全然効いて無いね踊ってやろうか。絶好調で天丼百杯食えるわ派手にな！」

ふと、初めてAとお館様と会った時のことを思い出した。

ー『辛いね天元、君の選んだ道は。』
ー『ありがとう、君は素晴らしい子だ』

俺の方こそ感謝したい、お館様貴方には

ー『天元さんはド派手ですね！ド派手に元気が出る歌を歌いましょう！』

確か「神のまにまに」って言う歌を歌ってくれたんだよな。
歌詞が感慨深くて元気付けられたのを覚えている。

ー『カナエさんがいなくなったのがまだ信じられません、また一緒に笑って蝶屋敷でご飯を食べれるんじゃ無いかといまだに思います』

1年程前だ。此奴は強いと思った瞬間だった。

『命はかけて当然、全てのことはできて当然。
矛盾や葛藤を抱えるものは愚かな弱者』

ずっとそんな環境で過ごしていたのに、この人達のおかげで昔思っていたことがくだらなくなった。

妓夫「こうしている今も俺たちはジワジワ勝ってるんだよなあ」

クソ！

A『それは違います。天元さんは、もう一人じゃ無いので。』

『氷の呼吸 玖ノ型 絶対零度 ”霧”』

冷え

A『毒の部分を少しだけ凍らせたので毒の回りが遅くなっていると思います。全方位に霧を出して凍らせるので相手の動きも多少は遅くなっている…はずです』

はずってなんだよ。ド派手に心配だな。

ドン

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