水の王子、人間界へ！？

襲来、幻獣《後編》 ページ14

何とかなれ。一か八かでAはオレカを出す。「『アダマンテウス』！」
オレカが黄色の光を放つとそこからあの悪魔アスモデウスの影が現れた。
その邪悪なる力を纏った槍が狙うは。「あなたよッ！」
「ギュアッ！」騎獣の方だった。《…ただし、どちらかが攻撃を受ける或いは行動不能になった場合効果は消える。》
バキバキ…！騎馬は石化していく。「…オーラが消えました！」だが、しかし。「グガ…グルアァッ！！」
突如騎手の方の幻獣の目が赤く光ったかと思うと、幻獣は人々から出ていたあの黒い光を纏ってフロウに襲いかかってきた。
そして黒い粒子によって幻獣に魚の物の様な尾や、顔の周りに鱗、と少しずつ幻獣を『化け物』に変えていった。
顔を隠すかの様に舞っていた粒子は槍を覆い、巨大化させた。そして顕になった、顔。
「…君は…やっぱり！」
カキィーンッ！
槍と槍が押し合う。
「グギャアアアアアア！！」「…そういえばパンドラが言っていましたよね…黒いモンスターは
蘇った者達、或いは…」
カキャンっ！
「粒子によって操られた者……ッ！本来の君ならもっと強い…しかし今の君は弱体化しています…何故なら…！」
弾かれるランス。パワーは…少なくとも今はフロウの方が上だった。
何度も何度も襲い来る漆黒のランス。それをフロウは楽々と避ける…ランスの動きはあまりに単調すぎた。
やがて片方の手に集まる水の魔力。
「絆の力や正義の心、強き勇気、仲間への労り…それが失われた今の君の戦い方はあまりに乱暴すぎます。
本来の君を見てきた僕ならわかるんです…お願いです、目を覚まして下さい……









ケルー、ピィ！」
王の魔法、ウォータークラウン。
思いっきりぶつけられる水の塊は爆ぜ、黒き『化け物』を…ケルーを、吹き飛ばした。

解決、そして。→←襲来、幻獣。《前編》

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