21話 ページ25
「このアイテム光属性だから次イベに装備したら割といいかもな…。」
『いいアイテムだったんですか？』
「激強。」
店を出てしばらく道を歩きながら、心なしか嬉しそうにそう言う先輩。そんな彼は当然のように街行く女性達の視線を集めていた。先輩は気付いているかはわからないけど。
「どっか行きたいところ連れて行くけど。」
おしゃれな人や街並みをぼーっと眺めながら歩いているとふと先輩に声を掛けられる。
「今日ついてきてくれたお礼。…それと、年末に俺が酔っ払ってご迷惑を掛けたお詫びを兼ねて。」
『年末…。ああ、あれ。』
「…本当、我ながらないわ。」
思い出したのか、恥ずかしそうにそう言う先輩に密かに笑う。
『別に酔っ払って私に褒めてだの抱きついて名前で呼んでだの言っただけだしいいんじゃないんですか？』
「絶対根に持ってるやつじゃん。」
そうため息をつく先輩に『まさか』と少しニヒルな笑みを向ける。
『…でも、むしゃくしゃしてる時は誰かに甘えたくなるものじゃないですか？』
「…そんなもん？」
苦笑まじりにそう言った先輩に『そんなもんです。』と微笑んでみせた。
『ずっと行きたい場所があったんです。お言葉に甘えて、連れて行ってもらえますか？』
＊＊
先輩に頼んで連れて来てもらったのはビロードウェイ。そこら中で公演予定の劇の宣伝をしたりフライヤーを配っていて、活気にあふれた街だった。
「演劇に興味あったんだ。」
『はい！演劇の聖地っていうし一度来てみたかったんです。』
賑やかな街をキョロキョロと見渡しながら歩いているとある事を思い出して、先輩の方へ振り向いた。
『そういえば茅ヶ崎さんも劇団に所属してるって言ってましたけどこの辺にあるんですか？』
「うん。MANKAIカンパニーってとこ。」
『へえ、茅ヶ崎さんも公演とか出られるんですか？』
「春頃に公演あるけど、観に来る？」
『いいんですか！？是非行きますね！』
そういう私を見て、先輩はフッと吹き出す。『何かおかしかったですか？』と聞くと更に可笑しそうに笑った。
「いや、そんな喜ぶ事かなって思ってさ。」
『そんな笑う事ないじゃないですか…ん？あれ…茅ヶ崎さん。あの人だかりってなんですか？』
道の端に見つけた人だかりを尋ねると先輩は勝手知ったように応えた。
「ああ、あれストリートACT…ってうわやべ。」
『…どうかされました？』
先輩は人だかりの中心の青年を見た途端、先輩の顔が青ざめた。
「万里…。」
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雪乃(プロフ) - 消しゴムさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月31日 3時) (
レス) id: 66c51cba16 (このIDを非表示/違反報告)
消しゴム - 更新楽しみにしてます(*^◯^*) (2017年7月30日 8時) (レス) id: 4a07a21d32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2017年7月25日 8時
