20話 ページ24
コラボをしているお店は100分制のバイキングのお店で、コラボメニューを注文する場合にはプラスで料金が発生する。
割といい値段するな、なんて思いながら財布を取り出そうとすると先輩がその手を遮り「俺から誘ったのに金払わせるとか格好つかないじゃん」と2人分の料金を払ってしまった。
「カップルの方々にはカップル割引が付きますけど、どうされますか?」
店員さんが営業スマイルでそう尋ねてくる。でも私達カップルではないし私はあくまで付き添いだし…
「カップル割引だって、A。得したね。」
そう言って先輩は私に王子様みたいな微笑みを向けた。うわ、この人カップルで通すつもりだ。確かにお得だけど。
「A、どうしたの?さっきからずっと黙り込んでるけど…。」
先輩はそう言うと私に顔を近づける。…どう考えても近い。
『ちょ、近い、茅ヶ崎さ…』
「至。2人の時はそう呼んでって言ってるじゃん。」
そう微笑む先輩に自然と頰が熱くなる感覚を覚えながら、こんなにカップルのふりを徹底してやる必要あるのかなんて頭では冷静に考えていた。
店員さんはにっこりと笑って私達を席に案内してくれた。
「カップル割引で2割引だってさ。ここクソ高いからラッキー。てか何でそんな顔赤いの?」
お金が浮いて嬉しそうな先輩を顔の熱を手で扇ぎ冷ましながら冷眼で見る。
『あそこまで徹底してカップルのふりする必要ないでしょう…。』
「はは、ごめんて。なんか反応が面白くてつい。」
『このっ…人でなし…!』
「はいはい、その殺意はポケットの中にしまっておこうね。」
『そんなコンパクトサイズなもんじゃないんですけど!』
そう怒る私を先輩は頬杖をついて楽しそうに見ていた。
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雪乃(プロフ) - 消しゴムさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年7月31日 3時) (レス) id: 66c51cba16 (このIDを非表示/違反報告)
消しゴム - 更新楽しみにしてます(*^◯^*) (2017年7月30日 8時) (レス) id: 4a07a21d32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪乃 | 作成日時:2017年7月25日 8時