四話 ページ5
蟲柱さんの話によると、鬼を連れていた隊士だそう。
水柱さんはそれを知っていながらも、見過ごし、蟲柱さんの邪魔をし、隊律違反をしたそう。
端の方で一人立っていた。
『風柱さんが居ませんね。変な事をしないといいのですが。』
私には関係ないですがね。
しばらくすると、少年の瞼がピクリと動いた。
瞼の奥には綺麗な赤い瞳が。
誠実そうな瞳が揺らいでいた。
目を覚ますなり誰かの名前を狂ったように呼ぶ。
“禰豆子„
“善逸„
“伊之助„
“村田さん„
計四人の名前が呼ばれた。
「炭治郎くん。今から裁判をおこないますね。」
蟲柱さんの優しく少し圧がかかった声色。
その他の柱がわーわー言う声。
少しうるさかった。
赤目の少年を殺そう。
そんな意見しか出なかった。
しかし、私は反対だった。
『その、殺すのもいいかも知れないですが、人を襲わない鬼ですよ?こちらが保護して調べるのも有かと思いますが。』
私の言葉を聞いた途端、一気に静かになった。
しかしそこに、
「オイオイ、雨柱さんよォ。考えが甘いんだよ。」
私の嫌いな声が聞こえた。
風柱さんだ。
貴方の方を振り向くと、片手に箱を持っている。
大量のお萩かな?
ふざけたことを思いクスリと笑った。
よく目を凝らすと、中には鬼が入っていた。
竹を噛んでおり、小さく丸まっている。
あの子が“禰豆子„とかいう鬼かな?
“禰豆子„ではなく、小さい鬼さんと呼ぼう。
勝手に呼び名を決めて、またクスリと笑った。
そんな私の表情を見て顔をしかめる貴方。
貴方が抜いた私に対する怒りの刃は、小さい鬼さんに向けられてしまった。
グサリと一刺し。
貴方の刀にたっぷりと血が付いた、箱からも大量の血が滴り落ちる。
何故かは分からないが、胸がざわついた。
もし、貴方が箱から出てきた小さい鬼さんに襲われたら...。
「大丈夫ですよ。」
蟲柱さんが私の何かを感じ取ったのか、読み取ったのか分からないが、そっと優しく手を握ってくれ、優しい言葉をかけてくれた。
少し強張っていた体から力が抜けた。
『そう、ですよね。』
貴方のことだから、大丈夫。
ここは好きにやらしておこう。
そう考え、頭の中からざわつきを消し去った。
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作者名:しば犬 | 作成日時:2021年2月20日 12時