第11話 ページ13
『ふぅ。夏っすねぇ夜でもこの暑さは』
まぁ8月半ばだし暑いのは当然なんですけどね。
『しかし、ぐちさんとたらちゃんは今日初めて話したはずなのにあんなに仲良くなれるって…マジでゲームさいきょー』
いつもの橋のベンチに座って星を眺めていると、いつの間にかもう2時半だった。時の流れ早いなぁと思いながら家に戻ると、ぐちさんはもう寝ていた。
『今日配信終わんの早かったんかな?まぁお酒入ってたし早いか流石に…』
そして僕はソファに座り、次の日を迎えた。
それから少したち、山が色付き始める季節になった。正直、僕はこの季節は好きではない。理由は、友人の命日がこの季節にあるからだ。
『はぁ、だるいなぁ』
毎年毎年、友人の命日が近付くに連れて何かをする気力が無くなってしまう。ぐちさんは特に何も言ってこないけど、時々怪訝な目で見てくるから気付いてるんだろうな、と思った。
そして更に日が経ち、友人の命日になった。
僕はこの日だけはほんとに虚無になってしまう。こういうのを呪縛とか何とかって言うんだっけ、と真っ白な頭の中で考えた。
『やば、ガチで何もしたくないや。今日だけは休ませてぐちさん』
僕は1人呟き、ソファにふらっと倒れ込んで意識を手放した。
目を開くと、もうお昼を回っていた。特にお腹が空くわけでも無いしぐちさんも仕事で居ないから、何となく趣味だったイラストを描くことにした。
『…どうせなら、ぐちさん描こ』
適当にコピー用紙を用意して、ぐちさんから貸して貰ったサブのスマホで「ぐちつぼ イラスト」と調べる。
いろんな方のぐちさんのキャラデザを参考にしながらイラストを描きあげた。
『割と…良い。僕にしては上手くいった方だね』
ちょっとメッセージも添えて、そこで絵を描くのをやめた。案外時間をかけていたらしく、夕方の5時を指していた。
『はぁ、結局家事する気力湧かなかった…』
何となくSwitchも手に取ってスプラを1戦したが、飽きてしまった。ぼーっと外を眺めているとなんやかんやで7時、ぐちさんが帰ってくる頃だ。
『やば、ご飯も作ってないやん』
まぁUberという便利なやつあるからそれで勝手に頼んでくれ。
そんなことを考えながらテレビを眺めていると、ガチャっと音を立ててぐちさんが帰ってきた。
gt「…ただいま」
『おかえり』
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らっぴょこ(プロフ) - 分かります…本人様方が決めたことだから応援したい気持ちもあるんですけどやっぱり気持ちが追いつかないっていうかなんというか……作者様も無理はしないで下さいね!応援してます (2022年6月26日 22時) (レス) @page18 id: d6878be433 (このIDを非表示/違反報告)
りべら(プロフ) - めちゃおもろいじゃないっすか…w この作品すごい好きです (2022年3月19日 11時) (レス) @page11 id: a02abf5dd5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ストーリー性めっちゃ好きです!無理せずに更新頑張ってください!💪 (2022年3月2日 1時) (レス) @page9 id: c736d56ed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青りんご | 作成日時:2022年2月13日 18時