巡り巡ってまた巡る (ページ3)

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次の日

自分の席につき本を読む。

人が少ないため本を読むのに最適だ。

本の内容は女の子が１週間を繰り返す物語。

同じような内容で少々つまらなくなるところがある。

女の子の台詞で

『私は何度も繰り返す。狂った歯車のように

時間を何度も繰り返す。』

というところしか覚えていない。

単純にかっこいいと思った。

徹「なに見てるの？」

右耳から聞きなれた声が聞こえ思わず横を見る。

あ「びっ！くりしたぁ…。」

本当に心臓に悪い。

徹「え？あ、ごめんね！」

顔の前で手を合わせ頭をペコペコとし始める。

あ「いや、全然大丈夫だよ！」

徹「宮本さんって髪、サラサラだよね。」

そう言い私の髪に指を絡める徹。

多分私の耳は今真っ赤であろう。

気づかれませんように

今度は自分の手をくしにして

私の髪の毛をとかしていく。

徹「耳真っ赤。」

ボソッと小さな声で呟かれ

心臓が跳ねる。

徹「あのさ、昨日の…」

そこまで聞き、焦りを感じる。

あ「ねぇ！人が来るから、後でで良い？」

徹「え、あ、うん。」

戸惑ったような声を出す徹。

ごめんね、今はまだ聞きたくない。

秋「徹！」

徹「ん！秋和！」

そそくさと稲野さんのところへいってしまった。

徹のヒロイン私じゃだめですか？

似合わないもんね。

ホームルームが始まるまでまだ時間がある。

本の続きを読もうとするが

目が流れていくだけになってしまう。

2人の会話がやけにはっきりと

耳に入り流れていってはくれない。

こんなに騒がしいのに

そこだけ切り取られたかのように

はっきりと聞こえてしまう。

嫌な耳。