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…またか。やっぱり、そうだと思った!
なんて今更言ったら紫耀に怒られそうだ。
1階の、中庭。
「好きです!付き合って下さい!」
見かけだけで判断しちゃいけないって、分かってる。でも、この人、なんか無理だって体が拒否反応を示しているから。近いし、息荒いし。
こんなことになるならやっぱり
紫耀についてきてもらえばよかったなぁ、
『ごめんなさい。私あなたのことよく知らないし、』
「あ、初めましてだよね話すの。でもずっと見てました!2年3組の村田です。これからよろしく!Aちゃん!」
いや、なんでそうなるの。ポジディヴ思考?
え、しかも同い年なのこの人!?
嘘でしょ、見たことないからてっきり後輩かと。
しかもこれからよろしくって、え?
『いや、そういうことじゃなくて…』
「あ!Aちゃん土曜日暇?遊びませんか?」
な、な、何言い出してんだこいつ…
そして距離が段々近付いて来るのはなんで!?
「Aちゃーん」
やばい、この人頭おかしい!怖い!
段々顔が近づいてきて、キスされる!
そう、思ったその瞬間。
「ダメ。これ俺のやから」
『……?は、なが…ムグッ』
後ろの永瀬の手が私の口を抑えた。間一髪の所で村田くんとのキスはまぬがれたらしい。
ありがと、と言いたい所だけど。
…俺の?いつ私が永瀬と言う悪魔の物に?
しかも永瀬に聞こうとしたら
お前は黙ってろ、喋んなみたいな目をしてくるし。
あーあ、可哀想に。
物凄い震えてるけど、これ大丈夫なのかな?
「ほ、本当ですか、Aちゃん…」
うん、まるっきり嘘だね。
騙されちゃってるのもどうかと思うけどね。
だってこいつ冷酷人間永瀬だよ?よく顔見て?
きっと村田くんも見たことあるよ?
「あと、そのAちゃんっていうのやめてくれへん?Aって呼んでいいの、俺だけやから」
「…ヒッ」
最後に彼の耳元で何かを囁いた永瀬。
村田くんは、最後に私にきちんと礼をして
しゃっくりしながら走り去って行った。
あんなキスされそうになって言うのもなんだけど、ちょっと可哀想に思えてきた。
それに、永瀬は絶対怒らせると怖いタイプってことが分かった。いつもプンプンしてるから、まぁ怖いっちゃ怖いんだけど。
っていうか、なんで永瀬はここにいるの?
未だ、口は抑えられたまま。
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しおり(プロフ) - リメイク、ではなさげですね、再掲載ですかね?また読めるの嬉しいです! (2021年4月12日 23時) (レス) id: 54ab854a1d (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 楽しみにしてます。 (2021年4月11日 7時) (レス) id: 24654051a6 (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - しろ.さん» わー(号泣)初めてちゃんとしたコメントの方が…ありがとうございます!頑張ります!(バスのシーン頑張ったから物凄く嬉しいです) (2019年1月12日 17時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
しろ. - お話とっても面白かったですー…!主人公ちゃんと廉くんのやり取りに笑ったりきゅんきゅんしたり…。平野くんのバスのシーンはうるっときちゃいました…幸せになって欲しかったです(泣) これからもお話楽しみにしています! (2019年1月11日 0時) (レス) id: 02ab738ad1 (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - ciels0604さん» わわわ!ほんとだ!ありがとうございます!どーにかしますね・・・(笑) (2018年9月9日 23時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏 | 作成日時:2017年3月28日 9時