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「なぁA、俺お前のこと…」
ユラユラと揺れる、目の前の影。
ぼんやりとした視界に見える永瀬は
私が応答すると満足そうに口角を上げた。
『私が…なに?』
続きの言葉が欲しい、そうじゃなきゃ言いたいことが何も分からない。
お前のことってなんだ?豚みたいとかそういう話?
いや流石にないよな、こんな改まって。
なんて、心当たりのない言葉に首を傾げても、目の前に居る永瀬はニッコリと微笑んだまま。
なんか、言ってよ。
彼の、口が開く。
次の瞬間、靄がかかった様に姿が見えなくなった。
『い゙ッえ、なに!?!』
頭になにか、すごい衝撃。
音的にガッ!っていってたし、えまっていっったい!
「あ、やっと起きたなテッシー!お前ずーっと俺が起こしてんのによう寝るなぁ!(笑)ほな天使ヶ原も起きたから授業再開するで〜え、紫耀また寝とるの?ほんまにお前らようやるわ」
『ん、あ』
周りからクスクスと聞こえる笑い声と、桐山の声に目を覚ます。頭重いし、瞼も重い。
あぁ、寝ちゃってたんだ。
パッと顔を上げると、なぜか顔中に汗をかいた桐山。手には教科書を持っているから、私多分あれで殴られたんだな。あーー痛い。
でもまだ眠いな。寝足りない。
頭もぼんやりするしやっぱりさっきの体勢…
「おーいおい!!テッシーもまた寝ようとすな!」
『えまってずっと思ってたんだけど「わっ!おお、急に起きるなや」テッシーって、誰?』
「あぁ、テッシー?お前のことに決まっとるやろ?」
なかなええアダ名思いついたわ〜なんてニヤニヤしてまた教卓の方へ移動して行く桐山に、思わずは?なんて言いそうになる。
え、いつから私はテッシーになったんですか?
そんなことを1人で悶々と考えていると、視線を感じた。気のせいかな。
辺りを見渡してみればこっちを見てるのは
……………永瀬?
夢で見た様な顔をして私から目を逸らした。
…夢、?そっか、あれは夢なのか。
あまりにリアルすぎて現実かと思った。
なぜだろう、少し悲しくなってしまったのは。
また、夢みたいに彼の口が開く。
おい。
口パクで「ばーか」て言ってきたぞ、アイツ。
前言撤回。
別に言葉の続きが聞けなくて残念だったとか
思ってない!
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しおり(プロフ) - リメイク、ではなさげですね、再掲載ですかね?また読めるの嬉しいです! (2021年4月12日 23時) (レス) id: 54ab854a1d (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 楽しみにしてます。 (2021年4月11日 7時) (レス) id: 24654051a6 (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - しろ.さん» わー(号泣)初めてちゃんとしたコメントの方が…ありがとうございます!頑張ります!(バスのシーン頑張ったから物凄く嬉しいです) (2019年1月12日 17時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
しろ. - お話とっても面白かったですー…!主人公ちゃんと廉くんのやり取りに笑ったりきゅんきゅんしたり…。平野くんのバスのシーンはうるっときちゃいました…幸せになって欲しかったです(泣) これからもお話楽しみにしています! (2019年1月11日 0時) (レス) id: 02ab738ad1 (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - ciels0604さん» わわわ!ほんとだ!ありがとうございます!どーにかしますね・・・(笑) (2018年9月9日 23時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏 | 作成日時:2017年3月28日 9時