冷たいアイツと２週間の同居生活

02. ページ2

・









「はいこれ」


『うわぁ〜、凄い』






何てこったい、永瀬にこんな物が作れるとは…



出てきたのはお母さんも最近は忙しいからって作らない様な豪華なハンバーグとスープとサラダに、てかまず冷蔵庫にこんなに材料あったんだ。知らなかった。






『短時間で、凄いねー！』


「俺も出来ると思わんかったわ」


『でもさ………あのー』


「何やねん。早く言えや」


『私、ハンバーグ好きじゃないんだよね』


「はぁ！？」


『だって玉ねぎ！！入ってるじゃん』


「玉ねぎ食べれへんの？…先言えや」


『永瀬はハンバーグ好きなの？』


「俺は、大好きやけど。逆に天使ヶ原(てしがわら)が嫌いなのがビックリだわ」






ん？まさかのこの展開は永瀬と同居楽しそう！って思っちゃうパターンですか？



いや、ないない、そんなの有り得ないから。




「あと食べれない物は？こっから朝昼夕２週間俺が作るから」



…朝、昼、夕？

朝、昼、晩じゃなくて？え？






『朝昼晩、じゃなくて？』


「……チッ。そういうのええから」


『マヨネーズ、あとケチャップと酢』


「わーお、子供やな」


『ネギが嫌い。あと猫舌だから熱いの、無理』


「ふ〜ん、そうなんや」






ちゃっかりメモしてる辺り、“冷酷人間永瀬”だわ。

ちなみに、“冷酷人間永瀬”とは。



永瀬は顔が良いっていうので学校でモテてよく告白されてるらしいんだけど、その振り方がすごくて。



「俺、お前の事知らんし」とか

「俺、お前嫌いだし」とか

「アンタ俺の何知っとんの？」とか。



だから永瀬のファンクラブもあるけど、永瀬にこっぴどく振られてる人も少なくない。


まあ私は前者でも後者でもない、普通のクラスメイトだからいいけど。






「お前、俺のアダ名知っとる？」


『……は？』


「いやこれガチの相談なんやけど」






まあ、座れやと言われましても…


ダイニングテーブルに２人向かい合って座る。






「“冷酷人間永瀬”やで！？おかしない！？俺そんな冷酷やないんやけど！」


『はぁ…冷酷っていやねぇ』


「まず振った子にそんなこと言った覚えないし！つーか、俺に告る子全員可愛くないんだけど何なん！？」


『まぁまぁ、一旦落ち着いて』


「紫耀にはそれをからかわれるし、何なんマジで！ファンクラブて何なん！！そういうのマジで俺全然嬉しくないんやけど」






ちょっと、やばい…面白すぎるかも。









・

03.→←01.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す