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『Hello School』 ページ6

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「それじゃあ行ってきます」



見送ってくれる皆に手を振って地面を蹴り、いつものように学校へ向かった。





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美しい草木や鮮やかな花が咲き誇る"イーハトーブの丘"その丘の中心に私もとい魔法少女が通う学校がある。人々を守る魔法少女の為のこの学校はかなり大きく、設備も整っていた。




梅雨もあけ爽やかな夏の風を吹かせ、緑の木々がさざめく。肩掛けカバンの紐を握りながらぼんやりと空を眺めていた。




(梅雨も明けたし……布団洗った方がいいのかな…)



「おっはよーリゲル!!」



「わっ?!」



バシン!っと勢いよく背中を叩かれ悲鳴のような声が漏れる。ジンジンと痛む背中をさすりながら、叩いてきた相手を睨んだ。



艶のある橙色のポニーテールに翡翠のような透き通った瞳。ツリ目がちだが下まつ毛が長い。
程よく日に焼けた肌に勇ましさを感じる太い眉。
黒い鎧と赤いマントを纏った姿はまさに女騎士とも思える凛と勇ましい魔法少女だ。



「あれ、ご機嫌斜めか?」


「誰のせいだと思ってるのかな?ねぇエルぅ…?」



「いただだだっ!!ごめんごめんって!!」



悪びれのないエルの頬を思いっきり引っ張れば謝罪とともに悲鳴が溢れる。
やれやれといった具合に手を離せば若干涙目になりながら頬を摩った。




「いたた……リゲルってほんとアタシに容赦ないよな……後輩たちにはあんなにやさしいお姉さんなのに……」



「こうでもしないとエルは学習しないから」



「さらりと酷いよね?!」



「そういえば、今日のお昼、院長さんが作ってくれたシチューのクリームパイとマシュマロなんだけど…」



話を遮ってそう切り出せば、ビクッとエルの身体が震えた。



「院長さんのマシュマロって、あれだよな、前にリゲルが食べさせてくれた……」



「うん」



「ふわふわもちもちで」




「うん」



「めちゃくちゃ甘いのにしつこくなくて」



「うん」



「焼いたら焼いたで、甘さと焦げた香ばしさが絶妙な……」





「よく覚えてるね」




「り、リゲルー!!!」




ガバッとエルが抱きついてくる。




「頼む!!背中バシバシ叩かないからさ!!お願い!!マシュマロ食べさせて!!」




「どーしようかなー」



「そこをなんとかぁああああ!!」



「あ、そろそろ予鈴なるから行こうか」



「リーゲールぅうううう!!」



「あははっ!」



エルとのやりとりが面白くて笑いながら校舎へ入った。

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作者名:夜月 | 作成日時:2017年9月11日 22時

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