捌【弟視点】 ページ9
.
.
「あー」
ガシガシと頭をかきながらメモに書いた容疑者達のアリバイ及び被害者の関係性を見直す。
というか、一般人に教えてくれるって大丈夫なのか警察の人。
改めて被害およ被疑者を見るが関係性が濃いというかドロドロだ。
被害者は
1人目の容疑者。31歳。
職業、IT業者
三村とは恋仲であったが、他の女と接触する度にヒスを起こされていた。今回此処へ来たのは彼女と別れ話を切り出すため。しかしヒスを起こされ話は有耶無耶に。ちなみに不倫は彼女の被害妄想であり、それをこじつけデートではかなり高額なモノを買わされていたようだ。
犯行当初、テーブルにて彼女を待つ姿を店員に見られている。
2人目の容疑者。37歳。
職業、『sugar house』ウェイター
浅田と三村の喧嘩を止めていた男性。のちに三村に強請られていたとこが判明。強請られの内容は彼が昔、事故で彼女に怪我を負わせた事。最近その金額が増えていたらしい。
3人目の容疑者。28歳。
職業、飯田と同じくウェイター
三村とは古い付き合いらしく、今回のチケットは沢江が三村に渡したもの。しかし彼女の性格のため、彼女以外の友人はほとんどいなかったらしい。
最近、彼女と口論していたところを目撃されていた。
.
.
.
「被害者、そうとう性格ひんねりまがってるぞ……」
「文からでも滲み出す、性格の悪さだね……」
「姉上の爪の垢飲ませたいです」
「いや、あの推理オタクの年中寝坊助にはなってほしくないな…」
脳裏に積み置かれた本に埋もれながら読み続ける姉の姿を思い出す。そういえば今日、大会だったな…待機部屋で本読んで出場時間に遅れなきゃいいけど……
「僕的には、恋人の浅田さんが怪しいかなー、だってお店で喧嘩してたでしょ?」
「一番単純に考えればな…だが、犯行時は席についていた。目撃証言もある」
「飯田さんは……犯行当初、厨房でケーキの在庫の確認……厨房から手洗い場まで人の通るホールと抜けないとダメですね…」
「それも、飯田さんはかなり背がある。通るならなー」
「最後の沢江さんは関係なさそうだよね、手洗い場に行こうとするなら呼び止められそう」
75人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:千夜一夜月 | 作成日時:2017年5月16日 19時