第四十三話 ページ44
2ー3 女子バレーチーム 決勝進出
「水島さんナイストス!!」
『おん、ありがと』
難なく突破できた。
けれど準決のお相手にバレー部がいて、私は不慣れながらもブロックに参加したのでちょっと指が痛い。
けれど私たちに敵はいないと自信を持って言える。
言えるけれども。
『し、素人相手に本気のスパイクとか打って大丈夫なん……?』
「えぇねんえぇねん。稲荷崎の球技大会はその道の部活がマジでやるのが十八番やねん。」
『うえぇぇ』
そうなのだ。
ただでさえ県ベスト4の女子バレー部の主力5人が集まってしまっていると言うのに、相手は1年生で、暗黙の了解的に負けるべきとはいえ、本気を出しすぎでは無いだろうか。
当たった子達みんな涙目だったし。
「次は決勝や。体あっためとかなあかんしな」
『おぉ………』
九条さんは燃えていた。
なにせ彼女たちの目標は、打倒三年目指せ優勝だからである。
「露草ちゃーん!!!ナイストスやで〜!!!」
『お、侑くんや。ありがとーーー!!!』
上のギャラリーに上がって観戦している侑くんが声をかけてくれた。隣には治くんと倫太郎がいて、軽く手を振ってくれている。
そんな3人に、私も大きく手を振り返す。
『い"っ?!』
「?!露草ちゃんどうしたん?!」
しかしその途端、上げた手の右手の人差し指がズキっと傷んだ。
まるで感じたことの無い痛みに私は思わず声を上げて大袈裟に左手で抑えてしまい、それを見た侑くん達がざわざわし始めた。
「水島さん大丈夫?!」
『ごめん、びっくりしただけや。そこまで痛くは無いから大丈夫やで。』
「え、ほんま……?痛かったら言うんやで」
『おん。勿論や。』
ほんとのほんとに、指を痛めるということが久々すぎてびっくりしただけである。
見てみても腫れてないし、決勝もあるから、ここであのガチガチテーピングは避けたい。
『侑くんたちも、気にせんといてな。』
「露草、無理しちゃダメだからね」
『大丈夫やって。バレーじゃこんなん当たり前なんやろ?』
「そうだけど……」
倫太郎が不安そうに言うけれど、私の意思は固い。
こんな面白いスポーツ、痛めた如きで外されてたまるか。
「アカン。ちゃんと冷やしや。」
『!!』
そんな私の背後からやってきたのは、保健委員として救護所にいた北さんだった。
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ゆず(プロフ) - 葵坂さん» こちらこそ読み漏れがあったみたいです。この作品好きで読んでいたからこそ気になってしまい勢いあまってコメントしてしまいました。読み続けようか迷っていましたが、作者様のコメント、またこの作品が好きなので読み続けようと思います。応援しています (2023年3月12日 0時) (レス) id: 843a0c5854 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ゆずさん» 最初に書いてある通りです。おそらく、三十二話の辺りでご不快に思われたことでしょう。大変申し訳ございませんでした。この教訓をこれからも活かして作品を作って参りますが、もしお怒りが鎮まらないようであれば、どうかこんな作者のことなどお捨ておきくださいませ。 (2023年3月12日 0時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
ゐづき(プロフ) - 毎回楽しく読ませてもらってます!愛知の方の方言あまり知らなかったんですが香川県でも同じような使い方されてる方言があってびっくりしました!!更新楽しみに待ってます!お体に気をつけて頑張ってください🙇♀️ (2023年3月12日 0時) (レス) @page41 id: 5e32b68666 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 弓道やっていらっしゃる方ですか? (2023年3月11日 23時) (レス) id: 843a0c5854 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク! - 此れって愛され作品ですか?だとしたら凄い嬉しいです! (2022年9月7日 16時) (レス) @page27 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
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