第十七話 ページ18
肩の感触に驚いたが、ゆっくり振り向いてその手の主を見据える
後ろに座っていたのは、黒髪に切れ長の目。下に伸びる長い足と捲られたシャツから見える逞しい腕
あ、これはイケメンという類では
と、私の頭に電撃が走ったのは言うまでもない
初めて同じ移動教室になった人なのだろう。見覚えがない
こんなイケメンさんなら、多分ある程度覚えていると思うし
「消しゴム、落としたよ」
『………あ、ほんまや。ありがとう』
「うん」
イケメンさんは消しゴムを拾ってくれたらしい。彼の手にある消しゴムは見覚えのある、私の消しゴムだった
拾ってくれたことに感謝を示しつつ、私は姿勢を戻して彼に背を向ける
あ、名前聞きそびれた。ま、いっか
けどこれから1年は彼と席がご近所さんなわけで、私も自己紹介しておいた方が………
ってあれ?確かさっき……
ーー
「ねぇ、水島………さん?」
ーー
イケメンさん、私の苗字知ってた
いや、待て。消しゴムに名前が書いてあったのかも
それとも私の持っている所持品に名前が何処かに書いてあったとか
けど、この移動教室は今年初めてだし
しかし、私の所持品には見えるところに名前など全く書いてなかった
私は中学時代の癖で、ノートや教科書等の所持品は表紙の裏に書くようにしている。ふとした時に知らない人に名前を知られないためなんだとか
筆記用具には名前なんて書いてないし、提出用のプリントだってまだ貰ってない
……というか、前にも同じようなことあった気がする
誰だっけ…………あ、宮兄弟や………!
何故が初対面の筈なのに名前知っとった人達……!
そんなに私って名前知られとるんか……?
じゃあ、そんなに珍しいことでもないか。気にせんとこ
といった具合で私の1人問答は終わりを告げ、さぁ自習だとノートを開くが、一体何を自習すればいいのか。これが初めての授業だと言うのに……
周りを見てみると、みんな周りとお喋りして過ごしていた。まぁ、うん。そうなるわな。課題も何も出されてない自習だし
じゃあ私はバレーボールの勉強をしよう
今日の部活後はまた侑君に指導してもらうとはいえ、ルールくらいはなんとかなる
さぁ、張り切って頑張ろうと、意気込んで図書館で借りたあの本を開く
と、私がバレーボールの世界に入ろうとするとまたもや肩が叩かれた
ーー
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