09.理不尽すぎる ページ11
アップが終わると、すぐにレシーブ練習になった。
今日は放課後なので、あまり長い時間練習ができないとのこと。
「………それで、なんでミネがあんなことになってんの。」
「それは俺にもわからない。」
掌が指さした方には、俺とペアだったミネがそこら辺にのびていた。
「一織がハイスペ過ぎて高揚感と劣等感で死にそう。」
「こうようかん。」
「嬉しくて気分上がるってこと。」
「奴の技術力は最早高校レベルでは無い……」
「ただの対人パスなのにやめてよそういうこというの。」
「ふっつーにカルチャーショックだわ……」
「技術力の違いってカルチャーショックなの??」
「言わんとしていることはわかるけども、使い方が合ってるかどうかは俺の判断では難しい。」
「おいコラそこ3人!!さっさと給水して並べ!!」
「「すんません!!」」
「ごめんなさい。」
談笑しすぎてユーさんに怒られた。
俺たちはすぐに給水を済ませ、レシーブ練習の列の後ろに並ぶ。
「何するの?」
「今からコーチがボールを3連続で出すから、それをセッターの定位置に持っていくだけの練習。」
「あぁ、そういうこと。」
思ったより単純な練習だ。
順番は早く来て、俺は手を前にして腰を低くしてレシーブの体勢をとった。
一本目にやってきたのは、俺の大分前の右斜め前に低く出されたボール。
構えた姿勢よりも低いので、ここは迷わずフライングレシーブ。
二本目は、前にフライングした姿勢の俺なんてお構い無しに後ろに大きく飛ばされたボール。
俺はすぐ立ち上がり、大股で走ってすぐに追いついてバックレシーブした。
三本目は、コーチに背を向けている俺からは視認が遅れることなんてまたお構い無しに、定位置から右横に鋭く放たれたスパイク。
だが問題は無い。大きく2歩進み、左足と背中の軸をぶらすことなく手を伸ばせば容易に届く。
もちろん、セッターの定位置は外れない。
「足はやっ、フライング上手っ」
「足と腕リーチあり過ぎだろ。大股で何センチ移動してんだあいつ。」
「しなやかにも程がある。」
「バックレシーブでAパスとかなんだよ。背中に目でもついてんのか。」
「あと軸のブレなさな。体幹えげつねぇ。」
「それプラス最高視点から最低視点への移動が早すぎる。2mが容易にできることじゃねえぞ。」
「そんで勢いを殺すあのレシーブな。クッションかよ。」
「え、俺悪口言われてる?」
「めっちゃ怒ってるけど褒めてるぞ。」
「理不尽すぎる上手さだもんな。」
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ポンコツ(プロフ) - 好きなお話です!これからも更新楽しみにしてます(*ノ´∀`*)ノ (5月26日 13時) (レス) @page43 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
ポスバス(プロフ) - うわ!パスワードかかっていたときから待ってました、、、!!応援してます!!! (2023年4月24日 21時) (レス) id: d26458d622 (このIDを非表示/違反報告)
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