6.双子 ページ6
チャイムが鳴り、授業が終わった。
「次なんだっけ〜?」
「英語。」
「はぁ〜っ!!週の最後の授業が英語とかついてないなぁ〜!!」
「もう慣れたもんでしょうが。」
葵ちゃんの言葉に適当に耳を傾けながら、靴箱の門を潜る。
靴箱前の廊下には、移動教室だった人達もたくさん歩いている。
ふっとそちらに目線を向けると、先程願った人物がゆっくり歩いて来るのが見えた。
一瞬で、私の心臓が早くなる。
「あ、A。」
私を見つけてくれた幸郎は、少し小走りで駆け寄ってくれた。
「外暑かったでしょ。ちゃんと水飲んでる?」
「飲んでる飲んでる。お陰で汗がヤバい。」
「ほんとだ。仰いであげる。」
幸郎は手に持っていた教科書類の中から下敷きを取り出して、パタパタと仰いで私に風を送ってくれた。
ここは日陰なのでちょっと冷たさを感じる風だった。
かなり気持ちいい。
そして横目に見えた幸郎の筆箱には、あのストラップが煌めいている。
途端に嬉しさが込み上げた。
「おっとお2人さん?私たちの存在を忘れちゃ困るぜ?」
「あ、ごめん葵ちゃん。」
「あれ、茜いたの?」
「おいコラ。さっきまで一緒に居ただろうがよ。」
そんな私たちの間に割り込んできたのは、葵ちゃんと弟の茜くん。
茜くんも葵ちゃんと同じ陸上部で、こっちは長距離の選手だと言う。
「まぁ?折角の彼女との逢瀬を邪魔されちゃあ、怒っても仕方ないけど?」
「わかるよ〜、私達も恋人いるからその気持ち超わかるよ〜」
「じゃあ空気読んで先に帰るとかしてくれない?」
「あ"ァん?!俺たちは休み時間にさえ会えないのにお前たちだけずりぃんだよ!!邪魔して当然だろうが!!」
「そーだそーだ!!!2人だけの逢瀬なら兎も角、我々という先約がいながらそっち優先されるとか許さないかんな!?私だって休み時間デートしたい!!」
「じゃあ同い年の恋人作れば?」
「いや、俺は今の一個下彼女一筋なんで」
「私は一個上の先輩一筋なんで。」
「なんなの君たち。」
あの幸郎が素でどうすればいいか迷っている。
茜くんには中学時代の後輩の彼女がいて、葵ちゃんは同じ部活の先輩に彼氏がいる。
確かに、気軽に会いに行けないのが難点だ。
「ほらほらAー、逢瀬の前にとりあえず靴履き替えな〜」
「……あ、忘れてた。」
そういえばまだ外靴のままだった。
私はその場で靴を脱ぐ。
そして、足が地面に接地したその時
「い"っっった"?!」
足の裏に、激痛が走った。
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葵坂(プロフ) - みるくてぃーさん» もうねー!!私が書くと本来かっこいいキャラが女々しくなるんですよね!それが私の性癖なので!!劇場版はなんか伸びちゃいましたよね!!ちくしょう!!!!!!気長に私の小説でも読んで昼活してください! (6月28日 10時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - 初コメ失礼します。え、昼神君可愛っ!!!劇場版めためた楽しみなんだが。更新応援してます!(?) (6月1日 16時) (レス) @page44 id: 461adb2062 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» これはこれはこちらでもありがとうございます!こんな駄作で良ければいつでもご覧くださいませ!なんですかねぇ、作者芽生男書くとなんかたまに女々しくなっちゃうんですよね笑キャラ崩壊しない程度にもちろん作者の解釈の中で、これからも最新して参ります! (5月4日 20時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
FLOWER(プロフ) - 前作から応援しております、FLOWERです。最近勉強などで忙しい中これを読ませていただいてます。話は変わりますが、昼活のセンス良すぎませんか?昼神も可愛くて、甘酸っぺえさが増しましたね…これからも更新応援してます!互いに昼活しましょう笑笑 (5月4日 19時) (レス) @page38 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - 眠いちゃんさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです!どぞどぞ!いくらでも話して行ってくださいねー! (2023年4月30日 10時) (レス) @page31 id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
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