48.2人きり ページ48
これ終わったら次はいきなり高校3年に飛びます
ーー
ちょっと元気が出た私は、大人達のつまらない話に飽き飽きして、幸郎の部屋にお邪魔することにした。
幸郎の部屋はなんというか、らしいというからしい感じで、沢山の難しそうな本や、机の上に飾られているコタロウくんとのツーショットが、私の想像していた幸郎の部屋にドンピシャで当てはまるものだった。
「どう?俺の部屋、そこまで面白いものは無いけど。」
「想像してたのとほぼ同じで、謎の安心感さえある。」
「謎の笑」
幸郎は下のリビングから2人分のオレンジジュースを持って現れた。
手渡されたオレンジジュースは冷たくて美味しい。
ベッドを背にして床に座る私の隣に、幸郎が座る。
かなり距離を詰めてきたし、なんなら肩に頭を乗せて体重をかけてきた。
「…………身体の大きさの差を考えてくれませんかね。」
「えー、でもA耐えれてるじゃん。てか、そこまで重くないでしょ?」
「そうだけどさ………」
ただでさえ2人きり、安心するとはいえここは寝室、そして隣にはほぼゼロ距離の恋人。
緊張で死ぬし、体温の上昇でまた熱中症になりそう。
「それよりもさ、7年って凄いよね。」
「………あぁ、一紗姉達の交際歴?」
「うん。うちの両親だって5年とかそこらで結婚してたよ。」
「まぁ、人それぞれだしね。」
私は飲みかけのオレンジジュースを机に置く。
そして空いた私の右手の指を、幸郎の左手がするりと絡めとった。
「高校からってことは、一紗さんも鴎台だったの?」
「うん。うちも幸郎たちと同じで、3人とも鴎台だよ。」
「へぇ……あ、たこみっけ。」
「…………思ってたけど、幸郎って私の手触るの好きだよね。なんかあるの?」
「うーん、なんとなくかな。なんか好き。」
「なんだそれ。」
でも、分からなくもない。
バレーやってるからか知らないけど、幸郎の手は大きくて、包まれているとすごく落ち着く。
「…………結婚か。」
「なに、どうしたの。」
「そりゃあ、身内がするとちょっとは想像するでしょ。自分の未来のこと。………彼女いれば尚更。」
「!」
こっちをガン見して、何かを期待するように言う幸郎。
………すまん、分からない。
何を言って欲しいのか全く分からない………!
そんな私の表情を汲み取ったのか、幸郎は吹き出したように笑うと、肩に乗せていた頭を起こし、もう片方の手で私の髪に触れた。
「………俺たちさ、まだ付き合って1ヶ月程度だけど……」
「けど?」
「想像していいかな。……………Aとの未来。」
227人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵坂(プロフ) - みるくてぃーさん» もうねー!!私が書くと本来かっこいいキャラが女々しくなるんですよね!それが私の性癖なので!!劇場版はなんか伸びちゃいましたよね!!ちくしょう!!!!!!気長に私の小説でも読んで昼活してください! (6月28日 10時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - 初コメ失礼します。え、昼神君可愛っ!!!劇場版めためた楽しみなんだが。更新応援してます!(?) (6月1日 16時) (レス) @page44 id: 461adb2062 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» これはこれはこちらでもありがとうございます!こんな駄作で良ければいつでもご覧くださいませ!なんですかねぇ、作者芽生男書くとなんかたまに女々しくなっちゃうんですよね笑キャラ崩壊しない程度にもちろん作者の解釈の中で、これからも最新して参ります! (5月4日 20時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
FLOWER(プロフ) - 前作から応援しております、FLOWERです。最近勉強などで忙しい中これを読ませていただいてます。話は変わりますが、昼活のセンス良すぎませんか?昼神も可愛くて、甘酸っぺえさが増しましたね…これからも更新応援してます!互いに昼活しましょう笑笑 (5月4日 19時) (レス) @page38 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - 眠いちゃんさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです!どぞどぞ!いくらでも話して行ってくださいねー! (2023年4月30日 10時) (レス) @page31 id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ