２２．ぎゅって ページ22
言った。
言ってしまった。
込み上げる羞恥に晒されること数秒。
呟いた本心を後悔する間もなく、幸郎は私をその腕に抱きしめた。
「さちろ………っ」
「もう無理………可愛すぎ………」
囁くように耳元で呟かれたその声音は、体の芯まで震え上がらせるほどの甘い響きが込められていた。
さらに上がる体温と羞恥を紛らわせるが如く、私の手は幸郎の背のシャツを握りしめた。
恥ずかしさと堪えきれない熱。
そして、溢れるほどの、好き。
いつも幸郎の言葉や行動に恥ずかしくなったり、ときめいたりはしているけれど、改めて好きだと感じたことはあまりない。
こういうところは私のダメなところ。
この駄目人間め。恋に溺れるのも大概にしろ。
「………ねぇ、A」
「………うん？」
すると、幸郎がそのまま耳元で私の名前を呼んだ。
顔を見ようとした私を、幸郎は腕に力を込めて体勢を崩そうとしなかった。
まあ私も、これの後に幸郎の顔を見るのはまだ勇気がなかったのでそのまま流されておいた。
「お願いがあります。」
「な、なんでしょう。」
なんか敬語で言われたのでこちらも吊られて敬語で返してしまう。
いきなりどうしたとも思ったけれど、なんとなく変なことを頼まれる感じもしなくて、寧ろ幸郎の頼みなら叶えてあげたいとさえ思う。
そんな私のスタンスを知らないであろう幸郎は、緊張しているのか少し身体を強ばらせ、かなり小さい声で言った。
「……………好きって、言ってほしい。」
「！！！」
私は驚愕した。
恥ずかしいとかではなく、驚いた。
しかしすぐにその驚愕に封をした。
一瞬頭をよぎった「男でもそういうことあるんだ」という思考。
けれど言うなれば、私が幸郎に伝えていなかったせいでもある。
男だろうが女だろうが不動の昼神だろうが、不安になったりすることもある。
幸郎は未だにラインの最後には好きだよと言ってくれるし、回数こそ減ったものの好意を言葉に乗せてくれることはある。
やっぱり、私は馬鹿だ。
私はシャツを握っていた手を離し、改めて両手でしっかり幸郎の背を抱きしめる。
「………好き。」
「…………もう一回。」
「好き。幸郎が好き。」
「………もっと言って。」
「好き。大好き。幸郎、好きだよ。」
この体勢では幸郎の顔は見えないので、今どんな顔をしているのかは分からない。
けれど幸郎は満足そうに息を吐いた。
「……うん。俺も好き。」
その言葉で、私は漸く本来の羞恥に目覚めた。
その顔を見られて、幸郎にからかわれたのはまた別の話。
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葵坂(プロフ) - みるくてぃーさん» もうねー！！私が書くと本来かっこいいキャラが女々しくなるんですよね！それが私の性癖なので！！劇場版はなんか伸びちゃいましたよね！！ちくしょう！！！！！！気長に私の小説でも読んで昼活してください！ (6月28日 10時) (
レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - 初コメ失礼します。え、昼神君可愛っ!!!劇場版めためた楽しみなんだが。更新応援してます！(？) (6月1日 16時) (レス) @page44 id: 461adb2062 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» これはこれはこちらでもありがとうございます！こんな駄作で良ければいつでもご覧くださいませ！なんですかねぇ、作者芽生男書くとなんかたまに女々しくなっちゃうんですよね笑キャラ崩壊しない程度にもちろん作者の解釈の中で、これからも最新して参ります！ (5月4日 20時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
FLOWER(プロフ) - 前作から応援しております、FLOWERです。最近勉強などで忙しい中これを読ませていただいてます。話は変わりますが、昼活のセンス良すぎませんか？昼神も可愛くて、甘酸っぺえさが増しましたね…これからも更新応援してます！互いに昼活しましょう笑笑 (5月4日 19時) (レス) @page38 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - 眠いちゃんさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです！どぞどぞ！いくらでも話して行ってくださいねー！ (2023年4月30日 10時) (レス) @page31 id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
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