3.放課後デート ページ3
「Aいるー?」
「はーい幸郎ー。こっちこっち。」
「あ、席そこに変わったんだ。ど真ん中じゃん。」
その日の放課後。
今日は男バレが体育館の点検で練習が休みになったらしく、私たちは放課後デートなるものをすることになった。
星海は身の危険を察知したのか既におらず、教室内の人も疎らだった。
「因みに目の前の席は星海。」
「え〜ムカつく〜」
「命だけは取らないであげて。」
疎らな教室に幸郎が入ってきて、星海の席に座った。
椅子の背もたれに腕を組んで、後ろ側に身体を向けている。
「行かないの?」
「んー?光来くんはいつもこうやってAの方見てたなーって思って。」
「ほぅ。で、感想は?」
「すっごく羨ましい。」
「なんで。」
「わからない?こんな風にAが見れていいなぁって思ってるの。いつもAの1番近くにいられて、嫉妬しないわけないじゃん。」
「………………」
大体答えを予想できちゃう自分がちょっとやだ。
自意識過剰でいようと思ってるし、幸郎からも自惚れてよと言われている以上やり続けるけれど、それは世間体的にはかなりヤベェ奴であることをこいつは知ってるんだろうか。
でも、実際言われるとかなりの大爆弾。
幸郎の放つ愛情はどストレートだから、すぐ顔が赤くなるし、全然慣れない。
「……もうちょっと控えてみようって気にはならない?」
「ならない。顔真っ赤にするA可愛いし。だから慣れて貰っても困るから、ずっとそのままでいてね。」
「無茶言わないでよ。私を殺す気か。」
椅子の背もたれに組んだ腕に顎を乗せて、上目遣いでそんなこと言われたら、何でもかんでも頷きそうになるから本当にやめて欲しい。
そしてその愛情表現を受け止める度に、私の寿命がすり減って行くのをこいつは知らないだろう。
………いや、知っててやってる可能性の方がデカい。
「………ほら、行くなら行こ。どこ行くか知らないけど。」
私はこの話題を逸らすため、鞄を持って立ち上がる。
それを見た幸郎も立ち上がって、スマホの画面を見せてきた。
「……お揃いのストラップ作り?」
「うん。前にハーバリウム作ったところで新しく始めたんだって。またお互いに作って贈り合おうよ。」
「幸郎って案外そういうの好きだよね。」
「Aがそういうの好きそうだなって思って調べてたら、まぁそれなりに。」
「………いつもありがと。」
「いえいえ。楽しんでくれれば、それで俺は満足です。」
言われるでもなく、自然と手が繋がれる。
最近の私の生活は甘すぎる。
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葵坂(プロフ) - みるくてぃーさん» もうねー!!私が書くと本来かっこいいキャラが女々しくなるんですよね!それが私の性癖なので!!劇場版はなんか伸びちゃいましたよね!!ちくしょう!!!!!!気長に私の小説でも読んで昼活してください! (6月28日 10時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - 初コメ失礼します。え、昼神君可愛っ!!!劇場版めためた楽しみなんだが。更新応援してます!(?) (6月1日 16時) (レス) @page44 id: 461adb2062 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» これはこれはこちらでもありがとうございます!こんな駄作で良ければいつでもご覧くださいませ!なんですかねぇ、作者芽生男書くとなんかたまに女々しくなっちゃうんですよね笑キャラ崩壊しない程度にもちろん作者の解釈の中で、これからも最新して参ります! (5月4日 20時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
FLOWER(プロフ) - 前作から応援しております、FLOWERです。最近勉強などで忙しい中これを読ませていただいてます。話は変わりますが、昼活のセンス良すぎませんか?昼神も可愛くて、甘酸っぺえさが増しましたね…これからも更新応援してます!互いに昼活しましょう笑笑 (5月4日 19時) (レス) @page38 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - 眠いちゃんさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです!どぞどぞ!いくらでも話して行ってくださいねー! (2023年4月30日 10時) (レス) @page31 id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
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