44.重いけど ページ44
入ったお店は普通の中華店で、地元でも冷やし中華が美味しいことで有名な所だった。
トッピングの2種類は自分で選び、それにあったタレや追加のトッピングをしてくれるとのこと。
「昼神、もう決まった?」
「うん。俺はちょっと冒険して、お店おすすめのエビとアボカド入れてみようかな。Aちゃんは?」
「私はまだ迷い中。無難もいいけど、昼神みたいにちょっと冒険してみるのもありかなって。そうするととても2種類まで絞れないけど……」
「良かったら俺の少しあげるよ?」
「………私にはまだそう言うレベルの高いこと無理なんで……」
「レベル笑」
昼神に笑われるけど、私には大切な事だ。
あまり恋人らしいことすると、私が悶え死ぬ。
自覚した途端死ぬ。
「………肉味噌と生卵にする。」
「美味しそうだね。俺も生卵入れたいかも。」
「………分ける?」
「あれ、そう言うレベルの高いことはしないんじゃなかったの?」
「私のをあげるのはいいの。」
「それ、遠回しに俺のを食べるのは嫌って言ってない?」
「……男の子のやつ食べるのは緊張して当たり前でしょ。」
「………………」
昼神が笑顔で固まった。
……そんな変なこと言ったつもりないけど。
私はそんな昼神を無視して店員さんを呼び、注文を終わらせた。
「…………あんまり可愛いこと言わないでくれるかな。」
「………何処が?昼神たまにおかしいよ。」
「おかしくない。惚れた弱みってやつかな。Aちゃんがなに言ったって何してたって、全部可愛いく思っちゃうんだよね。」
「…………………」
今度は私が石になった。
私なんかより昼神の方がやめた方がいいと思う。
可愛いとか、惚れたとか、そう言う甘い言葉はたまに言うからいいのであって、頻繁にいうと軽くなるものだと私は思う。
と、言っては見るものの、昼神から口説かれ続けてもうすぐ1ヶ月。未だに私が彼の口説きに慣れることはない。
前言撤回。私も惚れた弱みだ。何言われたって何度言われたって、嬉しいし恥ずかしいし、慣れることなんて多分ない。
「昼神、飽きないの?たくさんたくさんそんなこと言って。」
「飽きないよ。だって、まだ全然伝え足りてない。」
「………重い。」
「そんな俺は嫌い?」
「……………嫌いじゃない。」
「良かった。」
昼神は、机に投げ出された私の手を握る。
昼神の定石のスキンシップ。
逃れる理由はないけれど、未だに慣れない私だった。
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。「海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。」のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね!わかってるんですよ「現実的じゃないなぁ」「ちょっとキャラ崩壊かなぁ」とは!しかし!私の解釈で書いてまいりますので!応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く!これが葵坂流でございます!コメントありがとうございました! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます!!え、後味スッキリでした?!そう思っていただけたなら作者冥利に着きます!!夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました!これからもよろしく願いします! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする!やはりあそこですか!!作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております!次も乞うご期待! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (2023年5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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