カフェオレ男子【昼神幸郎】

１７．どっちかと言うと ページ17

鴎台の男バレは見事３日目まで残り、そして長野県一位の座を掴み取り、８月に行われるインターハイ全国大会に出場することが決定した。


聞くところによると、２ｍさんも、星海も、そして昼神も大活躍だったようで、華々しい公式戦デビューとなったようだ。



そして今日は、そんなバレー部の壮行会で朝から体育館に集まっている。



私はステージに上がって演台に立つ校長先生から、賞状と優勝旗を貰っているバレー部を





演台の反対側で見ていた。



私も、趣味で出た大会で見事優秀賞を貰ったので、同じ表彰対象なのだ。




その後粛々と会は進み、そのまま解散となった。



その瞬間に、昼神と星海に詰め寄られる。




「お前、なんかやってるなら教えろよ！！」


「聞かれなかったから。」


「大きな大会で優秀賞って、趣味の範囲じゃなくない？」


「だって本当に趣味だし。」





自然に教室までの道のりを一緒に帰る流れになる。


私の手には賞状とメダルとトロフィーと優勝賞品とが沢山抱えられている。




「大きな大会と言っても私これしか毎年出ないし、本当に全国の猛者と戦えるバレー部は凄いよ。改めておめでとう。」


「お、おう。」


「昼神も、活躍ぶり聞いた。凄いね。」


「え、あ、うん。ありがとう？」


「なんで疑問形。」





さっきから星海も昼神もたじたじしている。


なんなんだ、どうしたんだ。





「いつの間にAと幸郎仲良くなってんの？」


「俺も驚いてる。Aちゃん、俺の事嫌いじゃなくなったの？」


「どっちかと言うとまだ嫌い。」


「うわ正直だな。」


「でも、確実に“嫌”は剥がれてきてる。カフェオレも最近慣れてきたし、克服までもう少しだと思う。」





昼神に嘘ついたら確実に見破られて、かつ色々いじられるから正直に言うことにしている。


それに、かっこいいとかの褒め言葉はしっかり言うようにしたので、そこに好きも嫌いもない。


傍から見たら仲良く見えるのかもしれないが、私の頭の昼神の“嫌”が剥がれた訳では無い。





「………それじゃ、俺も頑張らないと」


「………だから、そんな頻繁に来なくていいって。」


「いや、毎日行くよ。一日も早く克服してもらいたいからね。」


「なんでそんなに必死なの……」





私の「毎日カフェオレ生活」は、まだまだ続く

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