プロローグ ページ1
これは昔の、政府時代の話
今日も今日とて私は書類仕事に励んでいた。
最近取り締まったばかりのブラック本丸の管理者であり、現悪の審神者の処遇を円滑に進めるための、犯した罪のリストアップである
そんな政府の花形部署「ブラック本丸撲滅部署」は毎日が多忙である。
が、そんな多忙な役人にも、たまに他部署から持ち込みの新人教育を任されることがある。
それも、新入社員等の相手では無い。
「
『あら、もう終わったのですか？ありがとうございます、山姥切長義。』
そう、政府から各本丸へ派遣される監査官の育成である
その頃は初めての特命調査である「聚楽第」の始動が迫っていた頃で、役人の代わりに監査官として派遣される刀剣男士の育成にも力を入れていた。
特に、政府のお偉方の娘かなんかが運営している本丸には、それ相応の役人から相応の教育が施された監査官を派遣するとのことで、その「それなりの役人」の枠に、我々ブラック本丸撲滅部署の役人が該当し、私はそのとばっちりを受けた立場であった。
私が教育をしている山姥切長義は、数多いる長義とスペックが違うとか優秀だとかそういうことはなかったけど、何処かで流れている私の噂か何かを聞いたのか、最初からかなり懐いてくれていた刀剣だった。その噂の真髄を聞けなかったのは今でも心残りである。
『………ではこれにて、山姥切長義の監査官としての事前教育は終了とします。よく頑張りましたね』
「ありがとう。貴方がよく教えてくれたお陰だ」
彼は私の言葉をよく聞き、よく動いてくれた働き者だった。
他の教育係の人達は、あまり良い関係を築けなかった方が多かったと聞いているが、そう考えれば私は運が良かったのだろう。仕事も忙しいのに、教育係まで大変だったらいよいよ体が悲鳴を上げていた
『貴方は、高官の息がかかった本丸担当との事。
我々の経験からすると、ブラック本丸になりやすい傾向があります。監査官としてしっかり調査して良いデータの収集を行い、審神者業界の更なる飛躍となることを願っていますよ』
「あぁ、任せてくれ。貴女に教わったことを活かして、政府の顔として、務めを果たしてくるよ」
最初から最後まで、彼は決意に満ちた凛々しい顔をしていた。
今となって思い出されるのは、彼に教えた数多の知恵と、ついでに着けた稽古の思い出。
そして私は、彼を誇らしげな気持ちで送り出した
『聚楽第』の間、彼は手紙を寄越すと約束してくれた
けれどそう言えば、彼からの手紙など一度も受け取っていないことに、今更気づいたのだった
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リーナ(プロフ) - 好きです！続き頑張ってください！ (1月30日 22時) (
レス) @page19 id: 3fc7d7acf0 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー(プロフ) - コメント失礼します！とても楽しく読ませてもらっています！続きが更新されるのをすごく楽しみにしています！頑張ってください！ (1月30日 20時) (レス) id: b390ce6133 (このIDを非表示/違反報告)
るりな(プロフ) - 初コメ失礼します！とても楽しく拝見してます！監査官たちが救出されるの楽しみにしてます！！更新頑張って下さい！応援してます！ (1月22日 21時) (レス) id: 834446252c (このIDを非表示/違反報告)
味噌煮込みうどん(((プロフ) - 続きを拝見できる日を心待ちにしておりますわ！ (1月10日 9時) (レス) @page19 id: 9e68e2def5 (このIDを非表示/違反報告)
まらと(プロフ) - めちゃめちゃ面白い作品です！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！！ (12月29日 0時) (レス) id: 0e3ba9734d (このIDを非表示/違反報告)
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