【HQ!】うちの末弟がマジ天使な件【佐久早聖臣】

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私は思わず箸を置き、リモコンを片手に立ち上がってテレビの前に座り込みました。



『5/1 黒鷲旗グループ戦２日目、4/30 黒鷲旗グループ戦１日目………録画予約までしてある。5/6 黒鷲旗大解説スペシャル ニューヒロインの正体とは、5/6 黒鷲旗ベストプレー特集………』



過去の試合から今日やる緊急特番まで、聖臣は全てを網羅していました。特に、過去の黒鷲旗の録画は全部最後まで見切ってありましたし、再生回数は３回。つまり３時間近くあった試合を３回リプレイしたということですから、３×３で９時間……なるほど。そりゃあ遅くまで起きていられるわけです。


私は、また涙が滲み出そうになりました。


ーー


「俺は、Aちゃんがバレーしてるところ見るの、好きだから。俺はやって欲しい。」


ーー


その場しのぎの言葉じゃなかったんだな、と思いました。

いや、聖臣ならその場しのぎで口からポロッと出てしまったら最後までやりきっちゃうかもしれませんが、私はそうじゃないと確信しています。


私はテレビの電源を切り、テーブルに戻ってご飯をかきこみました。
そしてすぐに部屋に戻り、スマホを手に取ってリビングに戻ると、聖臣のチャットを開きました。


この６日間の履歴を見返すと、聖臣は毎日連絡をしてきてくれました。
体調を気遣ったり、試合の感想を聞いたり、何気ない今日のホテルのご飯の話しだったり。

そんな愛おしい履歴を見返す前に、私は聖臣にメッセージを送信しました。


ーーー


A今日のご飯、何が食べたい?


ーー


既読はすぐに着きました。


ーー


聖臣Aちゃんが得意な料理
聖臣ガッツリ系でよろしく


ーー


私は思わず笑ってしまいましたが、同時に勢いよく立ち上がりました。

あれだけ筋肉が壊れた試合の後だと言うのに、聖臣のスパルタマッサージのお陰で、車を運転できそうなくらいには回復していました。


今日の晩御飯は、部活を終えて来るであろう、腹ぺこで疲れている聖臣の為に、この私が腕を奮ってあげようではありませんか！！！


そして、撮り溜めてあった録画を消化しながら、ゆっくり聖臣の口から、生で感想を聞こうと思います。

2011/6/24→←・4

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