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「佐久早、そちらは弟さん?」
『そうそう!聖臣っていうの。』
「………そろそろ写真撮るって。」
『あ、もうそんな時間?』
「そんじゃ、俺はそろそろ行くわ。あ、その着物超似合ってる!!また連絡する!!」
『ありがとう!!さっきの話詳しくね!!』
聖臣の言葉に、私たちの束の間の再会は終わりを告げ、山崎くんは背を向けて去って行きました。
流石は爽やかイケメン。さり気ない褒め言葉は未だ健在です。
『ごめんね聖臣。お父さんとお母さんもう出てきちゃった?』
「……いや、まだあーだこーだ言ってるから逃げてきた」
『そのあーだこーだの中心に居るのは君じゃないのかい……?けど、かっこいいじゃん!!聖臣この半年の間にかなり大きくなったもんね!スーツもよく似合ってるよ!』
「………ありがと。姉ちゃんも、よく似合ってる。」
お互いにお互いを褒め合い、そして照れ合いました。
聖臣は思春期真っ只中とあって、昔ほど正直ではなくなっていると思っていたのですが、そうでもなかったようで、久しぶりに聖臣の口から聞く褒め言葉に、私はとても嬉しくなったのでした。
「あとさ、姉ちゃん」
『うん?』
「………さっきの人誰。彼氏?」
『え?!』
びっっっくりしました。まさか、聖臣からそんなことを聞かれるなんて。
山崎くんが彼氏だなんて、そんなことはありません。
だって、中学以来会っていない上に、彼にはフィアンセがるのですから。
しかし私はそんなことより、聖臣の表情に私は釘付けでした。
ちょっと不満そうな、拗ねているような、寂しそうな、そして答えによっては泣きそうな顔でした。
そんな聖臣の顔を見て「うん、そうだよ」なんて冗談でも言うような姉はいるでしょうか、いえ、いません。
『ううん、中学の同級生だよ。もうすぐ結婚するから、式に出席してくれって話をしてたの。』
「!ほんと?」
『うん。ほんと。さっきすっごい惚気を聞かされてたんだから!』
その話を聞いて、あからさまにほっとしたような顔になる聖臣。
なんですかそれ、嫉妬??嫉妬ですか?!天使か()
私の頭は久々の天使オンリーボキャブラリーでした。
「………姉ちゃん。」
『うん?』
「姉ちゃんは俺が養うから、絶対結婚しないでね」
『ん?!』
ただの嫉妬なら良かったのですが、聖臣の中ではかなり壮大な将来図が広がっていました。
嬉しい。嬉しいんですが。
けれど私達は残念ながら姉弟なわけで
『いや、いつかは結婚したいから無理かな』
「は?!」
嘘でも「うん」って言っておけばよかった。
そんな私の後悔がこれから始まるのです。
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ワッキー - かっこいいし、かわいいってなんだよぉぉぉ!マジで面白かったです! (2023年4月16日 9時) (レス) @page50 id: a8cf9029ad (このIDを非表示/違反報告)
名無し84302号(プロフ) - 佐久早くんイケメン過ぎる、叫んじゃうとか、これ思いつく作者さん天才過ぎます!! (2023年3月6日 22時) (レス) @page43 id: 81c0b10d37 (このIDを非表示/違反報告)
雑草(プロフ) - アッ……しゅき…… ♡てぇてぇ、…溶けてまう………!!!更新頑張って下さいませ…!!!!!!!!! (2023年3月3日 0時) (レス) @page14 id: a938fb89f1 (このIDを非表示/違反報告)
あず - 佐久早くんが尊すぎ、、、。幸せ( ^ω^ ) 更新頑張ってください! (2023年3月2日 19時) (レス) id: 3268445afc (このIDを非表示/違反報告)
むむたろう(プロフ) - 佐久早くん、天使ですよね…。兄弟になれるなんて羨ましい…()更新頑張ってください(^^) (2023年3月2日 17時) (レス) @page3 id: aff0088c77 (このIDを非表示/違反報告)
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