五条と待ち合わせしていただけなのに【呪術廻戦】【名探偵コナン】

手刀 ページ43

⭐︎



蘭ちゃんはコナンくんの手前、隠しているようだが、その表情は微かに青ざめている。

呪霊絡みの事件だ。普段遭遇している事件の比にならない程に凄惨な死体を目撃してしまったのだろう。


普通の女子高生なのに、可哀想な話だ。


………いや事件の遭遇率といい、空手の有段者であるということといい、そこまで普通の女子高生でもなかったな。うん。


そんなことを思いつつも2人を観察していれば、素直に頷いたコナンくんにホッと笑いかけた蘭ちゃんが、扉を閉めた瞬間に打って変わって沈んだ表情でこちらへと歩いてくるのが分かった。


「あんな酷い死体……どうしてあんなことが………っ」


小さく呟かれている内容から察するに、コナンくんの前では取り繕っていたようだが色々と限界なのだろう。
私が隠れている所まで歩いてきた蘭ちゃん。

体が角から出てきた瞬間、その瞳が私の姿を映す前に。


「──ごめんね」

「っ！」


一言小さく謝罪して、私は彼女の首に手刀を落とした。呪力で強化され、的確な位置に落とされた手刀が一瞬にして蘭ちゃんの意識を刈り取る。

弛緩した体がぐらりと揺れ、地面に倒れる前に抱きかかえる。
そして、私はあまりのやらかしに思わず目頭を抑えて空を仰いだ。



「………いや、なんか意識オトしちゃったけど、こんなの犯人いるよって言ってるようなものじゃん………」





⭐︎

五条への連絡→←…コナンくん……！？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す