コナンside 2 ページ37
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蘭は「優しい人で良かったね、コナンくん!」と上機嫌でコナンに言い、苦虫を噛み潰したような表情のコナンと、蘭が自分を見なくなった瞬間に表情を削ぎ落とした神楽坂Aを2人きりにしてキッチンへと向かった。
蘭がいない間、その場ではAを睨みつけるコナンと、それに内心ダラダラと冷や汗を流しているAが膠着状態に陥っていた。
「………お姉さん、ボク達前に会ったよね?あの時の全身真っ黒な男の人は何だったの?」
そして、まず動いたのはコナンだった。
唾を飲み込んだコナンが、好奇心のままに疑問を問いかける。
Aのその笑みは未だ完璧。
だが、ピクリと動いた眉にコナンは手応えを感じた。
「……別に何でもないよ?ただの職場の同僚だよ」
にこやかな笑みと柔らかい声色。
数多の疑問を誤魔化してきたであろうその笑みが、どこかコナンには不自然に思える。
「へぇ、ただの同僚なんだー!……じゃあ何で、あんなに真っ黒な服を着ていたの?」
「!」
ゴクリ、唾を飲み込む。
「ーーーー黒い服、かぁ……うん、なら教えてあげるよ」
「!!!」
意外にもすんなり頷いたAにコナンの方が驚愕の表情を浮かべるが、まあ教えて貰うに越したことはない。
逆に余りの簡単さに疑いすら湧くが……。
コナンの問いかけた答えを言おうとしたのか、Aが口を開く。
「私達は………」
「神楽坂さん、お料理出来ましたよー!」
言葉を発しようとしたAを遮るように蘭が料理を運んできた。
ニコニコと上機嫌に料理の説明をし始める蘭をコナンはポカンと見つめーーーー
「………は?」
思わず唖然とした声が口から零れた。
お預けを食らったような感覚だった。呆然とした顔をしたコナンは無意識の内にAの表情を見つめーーーー
そして、コナンの顔を見て楽しそうに目を細めたAの表情に気がついた。
その瞬間、ゾッと背筋が凍りつく。
ーーーーーーーー謀られた!!!
……ッチクショウ!!内心でそう吐き捨てたコナンは、ギリ、と奥歯を噛み締めてAを睨みつけた。
彼女はあの瞬間、ちょうど蘭が来ることを計算していたのだ。
だが……それはコナンが、彼女にとって不都合な事を聞いてしまったという事に他ならない。
背筋に冷や汗を流しながらも、コナンは無意識に口角が上がるのを抑えられなかった。
ーーーー神楽坂A……アンタの正体、ぜってぇ暴いてやる!!!!
探偵としてのサガか……江戸川コナンもとい工藤新一は、眼鏡をキラリと光らせ、そう決意するのだった。
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リュウイ - 続編も見ました!!面白かったです!また続き待ってます! (2月8日 15時) (レス) @page50 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - (Rin)さん» ありがとうございます!いつも見ていると言ってくださり嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします! (1月5日 23時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
(Rin)(プロフ) - いつも見てます!応援してます!! (1月5日 22時) (レス) id: a9de1c3c9c (このIDを非表示/違反報告)
みるく - ゆゆさん» 本当にありがとうございます〜〜〜!!😭まだ分かっていなかったので嬉しいです!これからもどうぞ読んでくださいね🙇 (12月24日 9時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!! 続編の行き方なんですがまだ分からなければなのですがお話を追加の所が50話になると自動で続編へ移行に変わりますよ!続編でも頑張ってくださいね! (12月23日 18時) (レス) @page49 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずき | 作成日時:2022年5月22日 17時