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あ、あそこに天パの人いるな ページ27

⭐︎


 



ーーーー『麦坂パン屋』



こじんまりした外観の店から、香ばしいパンの香りが漂ってきている。

知る人ぞ知る、と形容されそうな場所にある小さな店だったが、何処となく柔らかな雰囲気だ。


「2人共、入りますよ」


建人は躊躇せずにその店の扉を開けた。

チリンチリンと澄んだベルの音が鳴り、すん、と鼻を鳴らせばパンが焼ける良い匂いが鼻腔に届く。


「へぇ、良い所だね!」

「でしょう?」


雄がキョロキョロしながら店内を見回しそう呟けば、何処となく満足気な顔な建人が頷いた。


私も店内を一度見回してみる。


木で出来たテーブルや椅子、そしてずらりと並ぶ美味しそうなパン。

席は半分程埋まっている。


ーーーーあ、あそこに凄い天パの人いるな……。


「……確かに、良い所だね。パンも美味しそう!」


私も建人にそう伝えた。

そしてキラキラした瞳でパンを見ていれば、くすりと微笑んだ店員さんがやって来て、


「お席にご案内致します」


と丁寧に私達を席へ案内してくれた。



「ーーーーへぇ、ここパン食べ放題の店なんだ!」

「あ、建人の好きなカスクートもあるよ」



早速メニュー表を見ながら雄と話し合う。

途中建人の好きなカスクートを見つけ、それを指差して建人に伝える。


「ああ、そうですね。私はいつもそれを頼んでいますよ。Aも食べてみたら如何ですか?」

「わ、いいね!建人が好きなのにハズレは無いし」

「あ、僕も食べるー!」


ピンっと手を上げてニコニコと笑う雄もカスクートを頼むらしく、建人が呼び出しボタンを押し、やって来た店員にカスクートを三つ頼んだ。


そして、注文を待つ間に「2人共、パンを取りに行きましょうか」と言う。


「ーーーーへぇ、美味しそう!僕はこのローストビーフの挟まったパンにしようかな!」

「んー、私はこのフルーツサンドイッチかな」

「へぇ、五条先輩とそっくりだね!」

「ぶっとばすぞ雄」


途中そんな事を言ってきた雄に、ニッコリと圧のある笑みを向けたが、メンタルが鋼じゃねぇかってぐらいに強い雄はその笑みを崩さず、


「A、照れなくてもいいよ!」


と輝く笑顔でそんな事をほざいてきた。


照 れ て ね ぇ よ 。


ビキリと青筋が額に浮かんだが、雄はキョトンとした顔で「どうしたの?A」と聞いてくる。


くっ………これが五条なら、五条なら容赦なく殴れるのにっ……!!!

お前もな→←七海



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リュウイ - 続編も見ました!!面白かったです!また続き待ってます! (2月8日 15時) (レス) @page50 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - (Rin)さん» ありがとうございます!いつも見ていると言ってくださり嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします! (1月5日 23時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
(Rin)(プロフ) - いつも見てます!応援してます!! (1月5日 22時) (レス) id: a9de1c3c9c (このIDを非表示/違反報告)
みるく - ゆゆさん» 本当にありがとうございます〜〜〜!!😭まだ分かっていなかったので嬉しいです!これからもどうぞ読んでくださいね🙇 (12月24日 9時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!! 続編の行き方なんですがまだ分からなければなのですがお話を追加の所が50話になると自動で続編へ移行に変わりますよ!続編でも頑張ってくださいね! (12月23日 18時) (レス) @page49 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずき | 作成日時:2022年5月22日 17時

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