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第二百二話 『談笑』 ページ7

「ちゃんとした自己紹介をしてなかったな」

そう切り出して、彼女は口を開く。

そもそもちゃんと自己紹介しないから今回の様な事が起こるんだ。まあ仲直りできたから良しとしよう、と少し愚痴ってまっすぐに波根を見つめる。


「私の名前は桜木真琴だ。鷹の英雄に属する。それで属性は癒と雷だ。ここまではなんとなく知ってるだろ。で、問題は私の性格だ。私は人より独占欲が強くて罪悪感とか分からないし、正直空気とか読まない。お前とのことも自分が悲しかったからやった。で、お前は話してくれるか?」

その赤い瞳には先程の悲しげな雰囲気などは見えず、波根は頷いてみせる。

「僕は旭川波根だよ。猿の英雄らしい。属性は木だよ」

これ以上何を言っていいかわからずに思わず言い詰まる。
思案していると、はは、と笑われた。

「自己紹介なんだからもっと気楽に言ってもいいだろう」
「きらく…」

気楽に…

「ええと…、友達が欲しいよ。この世界の子達みんなをお友達にするんだぁ」

にっこり笑うと苦笑いされる。
なぁに、と首を傾げて見せると、いや…、とやはり笑われてしまう。

「まるで小さい子の夢だな」
「……、そう」

そこらへんの基準、わからないなぁ…。

「まぁ、でもいいと思う。出会ったばかりだけど、お前らしいと」
「そう?」

一つ前の“そう”とは打って変わって明るい声で聞き返す。
頬が自然と緩んだ。

「嬉しいなぁ」

空を見上げる。先程まで夜の暗さだったのに、いつ過ぎ去ったのか朝になっていた。
今日はいい天気かな。

うきうきとテンションの上がった波根は、空を見上げながら脚をぶらぶらと動かした。

第二百三話 『夢』→←第二百一話 『寝起き目覚まし』



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ネット依存狼少女(プロフ) - 終わりました (2016年10月5日 20時) (レス) id: 3914cf26d6 (このIDを非表示/違反報告)
ネット依存狼少女(プロフ) - 整理してきますね (2016年10月5日 20時) (レス) id: 3914cf26d6 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - 海月さん» ……続編が必要なようです…… (2016年10月5日 20時) (レス) id: 3d07d6e42c (このIDを非表示/違反報告)
五木(プロフ) - 更新しましたー!続編お願いします (2016年10月5日 20時) (レス) id: 97c0d8cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - お願いしますー (2016年10月5日 19時) (レス) id: e483cc4c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海月 x他12人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年9月24日 7時

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