【オリジナル企画小説】継承者5【二次募集開始】 (ページ36)

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第二百三十話　『林檎』ページ36

纔華side

『林檎』

そう告げ、地面に手をかざす。

すると堕落者共は地面に引き寄せられ動けなくなった。

…………成る程。潰すのははできん訳か。

まあそこまでできたらチートか。

まあいい、今ので大体掴んだ。

また手を出し、今度は堕落者共にかざす。

すると、近くにあった木々が堕落者共に吸い寄せられ、激しく激突した。

殆どの堕落者は枝が刺さったり幹に激突したりで死んだ。

数匹残ったようだが、問題ない。

回し蹴りで残りを吹き飛ばし、これで大体片付いたか。

すると、途端に体が透け、半透明になった。

一瞬混乱したが、そう言えばこれもさっきの手紙に書いてあったな。

『戦闘継続可能時間は十五分。それを越えると霊体となり、また十五分経つまで物に触れない』

……だったか。もう十五分も戦っていたか。案外早いな。

などと考えていると、ふと目が熱くなった。

志士の眼…………と言う奴か。これまた手紙に書いてあった。やたら親切だな統制者。

まあとりあえずその眼は、この森のどこかで戦う者達だった。

軍服の男が二人と、なんかここから見ても解るレベルでヤンデレ臭の濃厚な女が一人。あとは堕落者の群れだった。

どうしようか。

妾は今物に触れん。つまり、戦闘ができない。

だから行っても意味がないといえば意味がないのだが……

｢…………だからと言って、行かぬなんて選択肢は無いな。｣

そう言って妾は駆け出した。

妾がそこに着くと、堕落者共は既に彼等によって片付けられていた。