検索窓
今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:7,304 hit

第二百二十六話 『なんとなく解決』 ページ31

「…、……」
「起きろよぉ…私を置いてくな馬鹿…」

ぐず、と鼻を啜る音が聞こえる。
ちょっと、何で泣いてるの?

「どうしたの?」

重い瞼を無理やり持ち上げて、なんでか僕の体に突っ伏している様子のその人の頭に手を乗せて、撫ぜる。どうしよう、泣いた人間の泣き止ませ方なんて解らない。

ばっと凄い勢いで顔を上げると、真琴くんは驚いたように僕の顔を見つめた。

「大丈夫?」
「こっちの、台詞だ」

ぐにゃ、と顔が歪んで、涙をぽろぽろこぼし始めた真琴くんにどうしていいかわからず、少しあたふたしてしまう。

取り敢えず頭を撫でて、事の顛末を思い出す。

飛び掛ったところまでは覚えているんだけど…

「真琴くん大丈夫だから落ち着いて。僕覚えてないから」
「覚えてない…?そ、それは記憶喪失ということか!?」

随分混乱しているようで、真琴くんの涙腺が更に緩む。
あああぁあどうしよう…

「違うよ、倒れた時の原因を覚えてないだけ」
「そうなのか…!?他に怪我とか、」
「ないよ」

大丈夫っていったでしょう?
そういうと、真琴くんは安心したように微笑んで、次の瞬間ハッと我に返って顔を隠す。

「え?」
「は…はずか……、いや、取り乱してしまった…すまない…」

しにたい…と物騒なことをのたまう彼女に苦笑いして、ふぅ、と息を吐き出した。

第二百二十七話 『社交辞令のようなもの』→←第二百二十五話 『目が覚めた少女』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.5/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , 能力者 , 恋愛 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ネット依存狼少女(プロフ) - 終わりました (2016年10月5日 20時) (レス) id: 3914cf26d6 (このIDを非表示/違反報告)
ネット依存狼少女(プロフ) - 整理してきますね (2016年10月5日 20時) (レス) id: 3914cf26d6 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - 海月さん» ……続編が必要なようです…… (2016年10月5日 20時) (レス) id: 3d07d6e42c (このIDを非表示/違反報告)
五木(プロフ) - 更新しましたー!続編お願いします (2016年10月5日 20時) (レス) id: 97c0d8cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - お願いしますー (2016年10月5日 19時) (レス) id: e483cc4c78 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:海月 x他12人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年9月24日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。