【オリジナル企画小説】継承者３【募集中】

第百三十八話 　『間違った選択』 ページ42

お茶を飲み終わって、体力も回復した僕は千世の目を盗んでアジトを抜け出した。
特に行く宛がある訳では無いが、アジトでじっとしているのはつまらないし、嫌いだからお外を散歩するに限る。


フンフンと鼻歌を歌いながらスキップで進む。それにしても、今日は何にも会わない。
人はもちろん、堕落者にも遭遇しない。平和でいいと思うけどそれはそれでつまんない！


何かないかなー、何にもないなー。
さっきまで千世に怒られるくらい暴れたのに、まだ誰かと遊びたい。これが世に言う戦闘狂ってやつなのかな？


なら、新しい発見だ！
フンフンと鼻歌を歌うことを止めずに、クルクル躍るように歩けば、ふと誰かの気配を感じた。


誰だろう？
鯨の人では無い気がする。
なら、鷹？虎？それとも

まだ、あったとこの無い人？

おーさまの目が教えてくれた気配は、動いているし。結構遠くの位置にいる。絡みに行くのもいいけど、スルーするのも良いと思う。


まあ、でも、スルーは僕にあってないかな！
なら行くがよし！


どう行動するかを決めて、パッと前を向く。楽しい人かな？そうだといいなぁっ。
ふふっと笑って気配の方へ進む。




この時の僕は知らない。
この選択が間違いだったなんて。

この先にあるのは「楽しい」なんてものとはかけ離れたことだったなんて。

第百三十九話　『横切りの先』→←第百三十七話　『歪んだ姉弟愛』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す