百話 『強制帰宅』 ページ4
彼奴の腹に銃弾を撃ち込んだ。これで彼は倒せる筈だ。
「わあ、痛い」
特に感情を表さずに言うこいつが怖かった。何故か腕を掴んでくる。
「……離せ」
「ちょっと頂戴」
そう言ったこいつに更に睨みを効かせる。けど、
「何を…」
そう言った直後に体に襲う倦怠感に思わず膝を付く。
敵の前にも関わらず、膝を付き、目に困惑の色を隠せない。
目の前のこいつは私をおぶり、何処から来たかを尋ねてきた。
「……っ、誰がお前なんかに……ッ」
頭では色々考えられると言うのに、口に出す気力は無かったことが不思議だ。というか、こいつはどんな神経してるんだ?ふつう敵に自分のアジトなんて教えんだろ。
「あっ、足跡見つけたよ。こっちだね」
「話を聞け木偶の坊」
だから、文面から察せないのか。私はお前にアジトまで来てほしくないと言ってるんだよ。
「君って体小さいしすっごく軽いね。本当に女の子なの?」
だから、話を聞け。そんな意味をこめ、力の入らない腕で頭を殴る。けど、アジトが近くなればそれも変わる。
本気で抵抗しないといけない。皆に迷惑をかけることになる。
そうすればみんな私を軽蔑するだろう。
きせはホントに私を信じてるのか分からないし、永久は能力を頼ってるだけだろう。他の人はろくな会話をしてないから論外だ。
嫌だ、嫌われたくない。
友達以外にこんな感情を抱いたのは久しぶりだ。恐らく、私は鷹と言うチームに好意を感じている。
再び銃を彼奴に向ける。
「私たちのアジトにこれ以上近づかせないぞ」
例え、自らの命を犠牲にしても。
11人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「募集企画」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゼロ(プロフ) - その話は一旦おいときましょ、なにかあったらあったで、きっと対応があります(多分) (2016年9月18日 10時) (レス) id: 59a32107a0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - ネット依存狼少女さん» プロフィールはあんまり荒らされないんですが、小説に載せた瞬間荒らされるんですよ……(遠い目) (2016年9月18日 10時) (レス) id: 721485c99d (このIDを非表示/違反報告)
ネット依存狼少女(プロフ) - あれ、でも私がダメとなると太宰さんや江戸川さんのキャラクターかなりアウトじゃ… (2016年9月18日 10時) (レス) id: fb9839b891 (このIDを非表示/違反報告)
ネット依存狼少女(プロフ) - うぁあ難しい…荒らしも理由を言って荒らしてくれれば良いのに…。取り敢えずゼロさんの言うように苦情を待ってみます。 (2016年9月18日 10時) (レス) id: fb9839b891 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 『容姿のイメージは誰々さん』とかなら大丈夫ですが、性格を似せると大惨事になります。 (2016年9月18日 10時) (レス) id: 721485c99d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ