【オリジナル企画小説】継承者2【募集中】

第五十四話　『怒りの矛先は』 ページ7

リーダーが手紙の主か
回復して次は勝つ。永久がそう考えることぐらい、希汐は分かっていただろう。


だからこそ、今永久は怒りを抑えられないでいる。
体が万全な状態であれば、今すぐにでも方舟に希汐を探させ、


見つかったら入れ替わり、リーダーの顔面をぶん殴っているであろう。
それぐらい怒っている。


だが今はこんな状態。チームで唯一、癒の力を持つ真琴さえ来てくれれば
これぐらいの傷はすぐに回復してくれる筈。


だから今方舟に、リーダーではなく、真琴を探させているところである。
おかしな話だが、今現在は人間の永久より、意思を持つ永久の方舟の方が
頭がいい。


あえて言い訳するなら、あの小刀はノアの力の一部だからってところだ。


恐らくもう真琴を見つけて、ここに案内しているぐらいだろう。


もう少し、あと少しで、この怪我ともおさらばだ。


確かに真琴はアジトの近くにいる。が
まさか希汐も一緒だとは、夢にも思わない永久であった。

第五十五話 『黒』→←第五十三話　『帰路』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す