第七十六話 『仲間だから』 ページ29
治療を終えると兄は目覚めた。
安堵していると、こちらを見る紫苑さんと目が合いとりあえず紫苑さんと合流。
兄は先程の戦闘で体力が限界、紫苑さんは怪我をしていたので、郁水さんに事情を説明し先に二人を連れてアジトに戻った。
「お茶淹れますんで二人共大人しくしててください」
「わかったぁ!」
「うん」
紫苑さんはともかくほんとにわかってんのか兄は。
まあ手足は動くが立ち上がるのはまだ無理そうなので逃げる心配はないだろう。
キッチンに行くとテーブルに料理とメモが置いてあった。
紫苑さんが一度戻った時に作っておいてくれたらしい。
紫苑さんは出来た人だ。
チームの事を気に掛けてるし料理も出来る。
今度料理に関する話を振ってみようか。
そんな事を考えながらお茶を淹れたポットとカップを持って兄達のいる部屋に戻る。
「お茶入りましたよ」
「わーいっ!」
「ありがとう」
カップにお茶を注いで二人に渡す。
「はいどうぞ、それと紫苑さん飲みながらで結構なんで足見せて下さい」
「治療はいいって…」
「じゃあ料理のお礼、でどうです?」
彼女は黙り目をそらした。
兄はなんの話だかわからずキョトンとしていた。
「俺の能力が紫苑さんと相性悪い事は知ってます、俺は怪我は治せても体調は治せない、でも放置して悪化させるよりはいいでしょう?今もかなり辛いはずですよ?」
彼女が我慢してるのは合流した時になんとなく気付いてた、応急処置はしてあるがこの傷だとちゃんと処置しなければまずい。
「遠慮しないで下さいって言ったはずです、相性が悪いのも体力の事気にしてくれてるのも知ってます、だけど大事な仲間を放っておけません、だから怪我をしたなら治させて下さい」
そういうと彼女はゆっくり頷いてくれた。
「そのお茶、紫苑さんの体調不良が風邪に近い症状みたいなので風邪に効くブレンドにしてみました、少しは効くかもしれません」
そう言うと紫苑さんは静かにお茶を飲んだ。
「体力回復にいいハーブも入ってるんで兄さんにも効くと思いますよ」
「ちよはホントそうゆーの詳しーねー」
「誰かさんが昔から怪我ばかりしてましたから」
「誰のことぉ?」
「兄さん以外誰がいるんです」
「フフフ…」
「あ、紫苑笑ったぁ!」
「主様と弟さんは本当に仲がいいなって…ありがとう弟さんお茶美味しい」
「どういたしまして」
俺には治癒しかないが、こうして少しでもチームの役にたてる事が嬉しかった。
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ねこうさぎ(プロフ) - しのっちさん» しのっちさん!続編できたそうなので更新してください! (2016年9月11日 13時) (レス) id: 721485c99d (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - しのっちさん» しのっちさん!続編できたそうなので更新してください! (2016年9月9日 20時) (レス) id: 721485c99d (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - 大変長くお待たせしました。続編を製作しました。 (2016年9月9日 16時) (レス) id: e483cc4c78 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 海月さん» 続編を作成してください。 (2016年9月9日 8時) (レス) id: 721485c99d (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ……お話がいっぱいだったようなので、続編ができるまで待機しておきます…… (2016年9月8日 23時) (レス) id: 3d07d6e42c (このIDを非表示/違反報告)
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