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第二十五話 『狼』呉部桃椛 ページ25

「……で」

ルール説明後、暫く沈黙していた私達。
動かないのもマズイ気がしていたが、橘様が口を開いてくれた。


「さっきの説明だと……我々は、殺し合いというものをしなければならんのか」
「……そうみたいですね」

望月様は動揺しながらも、淡々と発言する。


「さっき取った腕輪を見ますと……私達は『狼』で、英雄王とやらは橘様のようですね」
「ああ。『king』とある」


とにかく外へ出てみないと。
そう思い、皆様より一足先に駆け出した。

外は至っておかしな所はない。
と思ったが、


「……あれは?」

人のような……いえ、違う。


「説明にあった堕落者というものですか……」


私はこの堕落者と、最初にいた十数人の人達と戦わなければいけませんのね。
野蛮なことはしない淑女には、難しい。


「……力、とは何でしょう」


まだ遠くにいる堕落者を睨みつけるようにじっと見ていると

「いたっ!」

足から軽い痛みが走った。
捻挫?いえ、そんなはずは……

そのままじんじんと続く痛みと共に、『何か』が自分の足元から生えているような感覚に陥る。

何?これは


思わずしゃがみこみそうになった時。


「……え?」


一瞬理解ができなかった。

堕落者が、地面から生えた樹に貫かれた。

呆気なく。


「これが、力だと言うのですか……?」


なんでもそつなくこなす淑女。
それが私の目標だが、到底……この力を扱う勇気は持ち合わせていなかった。

第二十六話『狼』望月蒼生→←第二十四話 『隼』光刹那



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I’m(プロフ) - A (2019年10月5日 15時) (レス) id: 12d36b8d85 (このIDを非表示/違反報告)
鯉城@二航戦バンザイ(アローラの姿)(プロフ) - 作者様、お話が全て埋まってしまったので続編お願いします。 (2017年2月3日 20時) (レス) id: fb07d4ff14 (このIDを非表示/違反報告)
烏丸(プロフ) - 終わりました。 (2017年2月3日 18時) (レス) id: bf31fee5d1 (このIDを非表示/違反報告)
烏丸(プロフ) - 更新します。 (2017年2月3日 18時) (レス) id: bf31fee5d1 (このIDを非表示/違反報告)
鯉城@二航戦バンザイ(アローラの姿)(プロフ) - 終わりました (2017年2月3日 10時) (レス) id: e72c19c3f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海月 x他9人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )  
作成日時:2017年1月28日 10時

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